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小さな小さな卒園式

昨日小さな保育所の卒園式に出席した。

以前の病院にいた時から嘱託医として関わってきた縁の深い保育所だ。はばたく会という素敵な名前に恥じず、実に感動的な会だった。

子どもたちの歌と踊り、先生方の出し物(影絵)、父母の方の芸、あいさつ、食事会とどれもこれもとてもアットホームな雰囲気だ。

IMG_1392~2


残念なことに、この園は3月いっぱいで閉園する。37年間、無認可保育園として、父母やOB、地域の人たちに支えられてやってきた。しかし、ある意味でもう限界、ある意味でもう役割を終えたということなのだそうだ。

かつて、ポストの数ほど保育所をというスローガンのもと、必要を感じた地域の人たちが自分達の手で保育所を作っていった。そんな「共同保育所」の一つとして、質のいい保育を提供してきた。単に、子どもを預かるだけではなく、発達に応じた働きかけ、体づくり、集団作りをとても丁寧にやっている。また、親も預けぱなしではなく、積極的に保育所運営にかかわる。

特にこの保育所は、「食」にこだわっている。食物アレルギーへの個別的な対応がこまやかだし、食材もいいものばかりを選んでいる。食物除去が必要な子どもも安心して預けられる。今でこそ、「食育」ということが言われているが、この保育所ではずっと以前から「食」の大切さを訴え、実践してきた。

37年間は決して短くはない。在籍園児7名と小さな小さな保育所だけど、大きな大きな役割を果たしてきたと思う。こういう保育所が無くなっていくのは実に残念なことだ。

はばたく会の圧巻は、今度小学校に上がる子の卒園のあいさつ。これがとても感動的だった。思いを込めて、一言一言叫ぶように語る。途中で感きわまって絶句する。涙を拭いてまた叫ぶ。

他の園児も、親御さん方も、そして集まったOBももらい泣きしていた。他の子たちも、みんなそれぞれ別の保育園に転園する。最後は園児みんなと先生で「ともだち」という歌を歌っていた。

参加者に手作りの小さな花のポットが配られた。子どもたちも制作を手伝ったという。なんだか、ほわ~~とあたたかな気分で、会場を後にした。保育所はなくなっても、ずっと人々の思い出に残るに違いない。
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素敵な言葉ありがとう!

はるちゃんへ

素敵な保育園お話「ありがとう!

はるちゃんのブログを見ただけで涙してしまいました。

はるちゃんが言ってくれた言葉にも感動しました。

「37年間は決して短くはない。在籍園児7名と小さな小さな保育所だけど、大きな大きな役割を果たしてきたと思う。」

園長先生や園を守ってきた関係者の方にとって最高の言葉だと思いました。

私も理想の保育を求めて今年で15年目になります。
37年続けることは大変な事だと思います。

私はこの園の園長でも関係者でもないけれど、はるちゃんの言葉に
感動して又涙してしましました。

『保育所はなくなっても、ずっと人々の思い出に残るに違いない。』

私もそう思います。きっと皆さんの心に残ると思います。
そして何の縁もない私でさえこんなに感動をいただき感謝です。

素敵な園に、そしてこうして書いて下さったはるちゃんに感謝です。

   NPOチッチ  びわこのいっこさんこと山口育子でした

No title

先日はお忙しい中、本当にありがとうございました。その保育所にふたりの子を預けて働いている母です。先生がいらしてくれて、上の子もとってもよろこんでいました。

今回の「はばたく会」は、小学生になる子だけでなく他の園児や先生方にとっても卒園式で、私は園児たちの入場の時から目に涙がたまってきてしまって大変でした。

保育所の先生方だけでなく、はる先生のような定期的に子どもを見にきてくれる先生や地域の方々、OBの方など、いろんな人の力を借り大事にしてもらったからこそ、夫と私は職場の人以外に知り合いもいなかった函館で仕事をしながら育児をしてこれたんだな、皆さんの手がなければ二人目がほしい!と思えなかったかもしれないな、預け始めた時は赤ちゃんだった上の子も立派な少年に成長しているんだなと、胸がいっぱいになりました。

私たち一家はあと10日ほどで函館を離れます。1歳の下の子だけでなく4歳の上の子も、函館のことや小さな保育所のことをいつか忘れてしまうかもしれません。でもたくさんの人に愛され大事にしてもらった記憶は、子どもたちの心のどこかに残っていくと、私は信じています。本当にありがとうございました。

No title

いっこさん
ありがとう、そう言ってくれるだけでありがたいです。
そうそう、ばっちり写真撮ってきたのを入れ忘れていたので、あらためて写真載せます。
本当に素敵な保育園で、いっこさんが来たときに案内すればよかったですね。

海と光の母さん
楽しかったこと、悲しかったこと、くやしかったこと、子どもたちは、本当にたくさんの経験したのでしょうね。
「でもたくさんの人に愛され大事にしてもらった記憶は、子どもたちの心のどこかに残っていくと、私は信じています。」これは、本当にその通りだと思います。
また、いつかどこかでお会いできるのを楽しみにしています。
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プロフィール

はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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