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食物アレルギーの話

函館、渡島、檜山の特別支援学校の養護の先生方の研修会に呼ばれて、食物アレルギーのお話しをした。

食物アレルギー

一昨年の誤食による事故以来、学校関係者の間で食物アレルギーが一つの大きな問題になっている。ガイドラインやマニュアルがしっかり作られているので、それに則っていけば問題はないはずなのだが、実際には色々と大変らしい。文章に書かれていることを実際に現場で使えるものにするためには、もう一工夫必要なのだろう。

混乱の一因は、医療側と学校側の意思の疎通がうまく行ってないことにもある。『学校管理指導表』を医師が書いて、保護者から学校側に提出する。間に親をはさんで、教師と医師が間接的にしかコミュニケートしていない事が問題なのだと思う。こんな風に医師の側から、養護の先生方に説明できる機会はとても貴重だ。

食物アレルギーとは何かから、症状の説明、診断のプロセス、除去や解除のすすめかた、誤食の時の対処の仕方、そしてエピペンの実演まで、ていねいにお話しした。医師が、どんな風に考えて、診断から治療までを進めているのかを知ることができると、先生方も対応しやすいのではないかと思う。

特に強調したのは、血液検査だけでは判断しないという事。検査結果だけが独り歩きしているケースも多い。また、厳密な除去が必要なケースとややゆるい除去でも良い場合がある事もお話しした。だからこそ、本当は1枚の紙(生活管理指導表)のやりとりだけでは不十分なのだ。疑問があったら主治医と直接お話しする機会を持つ必要がある。

こういうことをきっかけに、医療側と学校側の対話が一層進むと良いと思う。

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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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