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援助とはなにか

研修委員会主催の全体学習会の第3回目「援助とはなにか」。

私たち医療従事者にとって、日常茶飯事になっている「援助する」ということについてあらためて考えてみる。そのための土台はアドラー心理学だ。

援助とは

援助のことを考える前提として、人間存在について考える。

第1に「人は社会的な存在である」こと。人は一人では生きていない。食べること、着ることの生きる基本からしてそうだし、心理的にも他者と関わらずに生きる事はむずかしい。ヒトは、常に所属に向かう強い力を持っている。不安や悩みを抱えるのは、自分の所属が危機にさらされたときだ。

第2に「人はクリエイティブな存在である」こと。人は、本能や欲動に突き動かされて生きているのではなく、よりよく生きるために、所属を目標にして、自分の持てる資質をいっぱいに生かして、主体的に、能動的に生きている。

その理解の上で、援助するということを考える。

まず、援助する側の姿勢として、そもそも援助しようとすることが援助者自らの「所属への欲求」から発したものだということを自覚する。そうでないと過剰に援助しようとしたり、援助がかみ合わない時にひどく落ち込んでしまったりする。

そして、相談者と援助者の関係性が大事になってくる。つまり、「相互尊敬、相互信頼、協力、目標の一致」。常に、相手を自分とは異なった価値、世界観をもった一個の人格として尊敬する。相手が問題を自分で解決する能力を持っていることを信頼する。それぞれの役割を認識しあい、一致するところで協力することにこころがけることだ。

さらに、援助するときの方向性は、いわずもがな「勇気づけ」ということ。今回は時間切れで、勇気づけの話は次に持ち越すことにした。

こうやって、しっかりと時間を取って、私たちの「『勇気づけ』のクリニックにしたい」という願いをスタッフにはっきりと伝えることが、今あらめて大切なのだと思う。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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