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違いから学ぶ

子育て講座のびのびの7回目「幸せについて考えてみる~子育て文化の違いから」があった。講師は、あおいそらの高橋実花先生。実花先生のイギリスとアメリカで暮らした体験から、日本と海外の価値観の違いを見て考えたことのお話であった。

イギリスもアメリカも、子どもを一人前の個人として扱うところが共通している。親と子どもの生活は別、親と一緒の部屋に寝たりしないし、おとなになっても親と同じ家に暮らしたりしない。障害があっても、親とは別々に暮らす。

そして、どちらも、権利の主張を躊躇しない文化。特別支援教育は、自分たちの権利、という意識がはっきりしている。「皆と同じことを同じように」教えてもらうより、「その子に合った英才教育を個別に」してもらう方が“いいに決まってる”のだそうだ。何か目からうろこが落ちる思いだ。

普通教育は大量生産の既製服、特別支援教育はオーダーメイドの特注服みたいなものと言う例えが分かりやすかった。そう考えてみると、日本人が特別支援教育で、特別扱いされることを嫌う理由が、よくわからなくなる。

かといって、突然日本人のだれもが主張的になれるわけではない。日本には、欧米とは違う日本独自の文化や歴史がある。そもそも日本の特別支援教育は、おもにイギリスのシステムに習って導入したもの。せっかく外国の良いシステムを取り入れたのだから、うまく使いこなしたい。実花先生の提案は、「使う側が賢くなってしまおう!」ということだ。

日本の特別支援教育は、未だ発展途上、与えられるのを待っているのではなくて、うちの子どもにはこんなふうにやってくださいと積極的に提案していこう。「皆と違う行動をしていても、それには正当な理由があるのです。理解して、援助してください」と言っていくことは、決して悪いことではない~ということだ。

違うことを否定的に捉えず、そこから何を学ぶのか?と言う視点でお話しされているので、胸にすとんと落ちてきた。特に印象的だったのは、日本のお母さんは頑張っている、日本の先生方は頑張っていると言うお話。今まで、外国と比べて日本はこんな風に遅れている、こんなに問題があると現状の否定から入っていく話が多かったと思う。

実花先生の話は、現状の問題点を踏まえながらも、常に前向きな姿勢で語ってくれる。自分も頑張ってみようかな?と勇気づけられるのだ。この話は、クリニックの中だけで聞くのはもったいない。市民向けに大きな講演会を催して、多くの方に聞いてもらいたいものだと思った。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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