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障がいのある子どもの保護者と関わる

おなじみの高橋実花先生をお呼びしてのスタッフ向け研修会。
今年度も4回を企画している。その第1回、テーマは「障がいのある子どもの保護者と関わる」

今年は、はるまち館で児童発達支援事業所「小さなはるの風」を開設した。そのスタッフの研修も兼ねている。一番前に陣取っているのが「小さなはるの風」のスタッフ、さすがにやる気まんまん、頼もしい。

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お話の中から印象に残ったこと
 ○子どもを支援したいとき、第1に考えたいのは親御さんの笑顔
 ○親御さんは障がいのある子どもの親となることを自ら選んだわけではない
 ○こちらの話を聞いてもらうのはまずよく話を聴いてから
 ○「教える」のではなく「わかってもらう」
 ○保護者も支援の対象である
 ○保護者が攻撃的になったり、投げやりになったりするのには理由がある
 ○「支援者に任せっぱなし」に見える保護者であっても「任せられっぱなし」にはしない

後半は「支援者としての心構え」
 ○支援者が自分の心身の健康状態を管理するのは仕事のうち
 ○相手に感謝してもらうことだけを自分のモチベーションにしない
 ○経験や根性だけで仕事をしない~確かな知識と支援の技術が必要
 ○仕事を一人で抱え込まない

どれをとっても、深くうなづけることばかり。もう何度も実花先生のお話を聞いてきたが、そのたびに感銘を受ける。
あらためて、支援者としての姿勢を正してもらえた気がする。

あるスタッフの感想、「実花先生のお話で心が浄化されました。明日からまたお母さん方にやさしく接することができます」
知識と技術、そして大事なのは体の姿勢。こうして話を聞いているだけで、体がやさしくなるのはとてもすごいことだと思う。



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私たちは何を援助するのか?

地域の子育て援助者の会、木ねずみの会の第4回例会を行った。
前半に話題提供をし、後半に事例にそって話し合う形で行った

話題提供は、私の方から。内容は、「私たちは何を援助するのか?」。

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普段、不登校の相談や子育ての悩みの相談を受けていて、考えたり、感じたりしていることをお話した。
基本的には、アドラー心理学の理屈に沿って、お話を組み立てた。

まずは、人間の本質について、「社会的な存在である」~所属に向かう力があること、「主体性を持った存在である」~自分の操縦桿は自分が握っていること。

人が悩むのは、所属の危機の時、ただしそれは主観的なもの。だから、相談の方向性は勇気づけ。つまり、来談者が、「自分には能力がある」「人びとは仲間だ」と感じられるように援助すること。

そこで、相談者は、まず来談者と相談的な人間関係を持つことが大切。それは、「相互尊敬」「相互信頼」「目標の一致」「協力」であるということ。相談の中で、来談者が、所属を取り戻し、主体性を回復していくことが最終的な目標。

何を援助するのか?相手=来談者の行動を変えることではなく、私=相談者の行動(カウンセリングトーク)を通して関係性を変容し、来談者自身が自分で所属を取り戻す行動を選択できるように勇気づけること。

私のお話のあとは、いくつか質問を受け、その中から、一人の方の相談事例を取り上げて、みんなで今後の方向性について、意見交換をした。さまざまな立場の意見から少し方向性が見えたのではないかと思う。やはり具体的なケースでお話しするのが一番わかりやすい。

今回参加人数が少し増えた。こういうところから少しずつ、地域共同の輪が広がっていけばいいなと思う。


障害とは何か?障害との上手な付き合い方

嘱託医をしている通園施設で、毎年恒例の保護者向けのミニ講演会があった。
今年度第1回目は、「障害とは何か?障害との上手なつき合い方」
毎回、事前にアンケートをいただき、参加者のニーズに応えたお話を用意することができる。

ちなみに、今回の質問は、
・障害のある子どものことを兄弟にどのように説明するか (説明する年齢の目安など)
・障害をもつ子どもとその兄弟児に対しての親の向き合い方
・障害をもつ子どもに対する父親の理解を深めるにはどうすればよいか?

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まずは、障害に関する考え方を少しお話しする。
参考にしたのは、WHOの「国際障害分類」(1980年)と「国際生活機能分類」(2001年)。
言いたかったのは、障害は固定されたものではなく、環境との相互作用でその意味が変わるということ。

私が好きな言葉は、「障害は広い理解と適切な支援を必要とする個性」。
これは、こころとそだちのクリニックむすびめ院長田中康雄氏の言葉。

そして、周囲やきょうだいに理解してもらうためのこつについて。
特に父親の役割について、母と役割を分担することと、男性ならではの得意を生かすことについてお話しした。
例えば、受容だけではない社会のルールを教えること。
例えば、体を使った遊び、ゲーム・パソコン・自動車・機械いじりなどで役割をもってもらうこと。
やっぱり、人は、貢献が認められることが何より大切。
だから、パートナーに対しても、否定的な側面でなく、肯定的な面を見るようにという提案をした。

父親の参加もあり、和やかな雰囲気でお話ができた。


子どもを援助すること

渡島管内市町村保健師連絡協議会から依頼があって、保健師の研修の一環で講演をしてきた。
テーマは「子どもを援助すること~不登校の親子支援をめぐって」

子どもを援助する【写真はスライドに使った子どもの笑顔】

保健師さんたちは、地域の様々な相談を受け入れている。学校への不適応に悩む保護者からはもちろん、学校や教育委員会からも相談がくることがあり、不登校援助、子どもへの関わり、保護者への関わりをどのようにしていくか、カウンセリングや相談方法について、また、子どもの悩み、学校での立場や思いなど心理面を理解する上での理論部分も盛り込んでほしいという依頼であった。

具体的な援助方法については、クリニックでの実際の事例からお話し、不登校や不登校の背景になっている発達障害についても触れ、子どもの心理を理解し、どんなことをポイントに相談にあたるのかと言うことを、アドラー心理学の理論を交えながらお話した。

相談の実際的な側面と理論的なことと織り交ぜてお話をした。少し硬いお話になったかな?と思ったが、私の話を端緒に、保健師さんたちの学びへの意欲につながっていけたらいいなと思っている。

子どもを援助するのはなぜ?それは、「子どもの笑顔が見たいから」だし、「子ども笑顔が私たちの未来をつくるから」だし、自分自身が「そこ(未来をつくる事業)に参加していることを喜びとしているから」。

これが、今回の講演のまとめの一言。

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プロフィール

はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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