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父を見送る

かねてから、療養中であった父が逝った。享年84歳。大往生と言える。祖父が80歳、祖母が89歳だったので、二人がもう潮時だよと言って、呼んだのだろうと思う。

急きょクリニックをお休みにして、東京に旅立った。地域の皆さんにはご迷惑をおかけした。それでも、半日の休診で済ませることができた。思い出の中の父は、本当に子煩悩であった。子どもたちのために、旅立つ時も選んでくれたのだろうと思う。

病を得てからはこもりがちだったので、あまりおおげさにせず、家族だけで葬儀を済ませた。それでも、親戚一同が集まり、兄弟、甥、姪ばかりではなく、叔父、叔母、従兄弟たちも集まり、久しぶりに親しく語り合った。北海道に来てから、親戚づきあいも滞りがちであった。父は、にぎやかなことが好きで、こうやって祖父母の代から、子、嫁、孫が増えていくのがをいつも喜んで見ていた。

さいだん そうぎ1

叔父、叔母から、昔の父の話を聞くことができた。その中で叔母の話がとても印象に残った。戦後、長男だった父は家族のために一人捕鯨船に乗っていた。その頃、どこで買ってきたのか、妹の自分のためにセルロイド製の筆入れを買ってきてくれたのだと言う。ピンク色で白い雲の模様が入っていて、とてもきれいだった。まずしい暮らししていたので、その筆入れがとても自慢で、今でも鮮明に覚えているのだそうだ。

そうぎ2

こんな風に昔の話が聞けたのもありがたいことだ。先祖の墓前にもお参りし、父の道行きをお願いした。日頃の不信心を反省し、少し生活を改めなければと思った。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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