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先輩の病児保育所を見る

滋賀に来たもう一つの大きな目的は、滋賀で長く実践をしている病児保育所を見学させてもらうことだ。たかはし小児科循環器科クリニック付属の病児保育所ぞうさん。ぞうさん

12年前から病児保育に取り組んでいる。定員12名、一体どんな風に運営しているのかとても興味がある。

大きな保育室が1つと小さな保育室が4つ。この日も、かぜ二人、インフルエンザB二人、溶連菌一人を受け入れていた。やはり、保育室がたくさんあるのは優位だ。かぜの子どもたちの部屋に1人、インフルエンザBの子たち1人ずつに1人、溶連菌の子に1人と計4人の保育士さんがついている。保育士さんがたくさんいるのも優位な点だ。

予約を取って準備し、当日キャンセルが入り、キャンセル待ちの子に連絡して新たに受け入れる。朝の受け入れ時間がばたばたして綱渡り状態であることは、うちと全く同じだ。これだけの人数を受け入れるのには、相当に苦労があるだろう。

今回案内してくれたのは、全体のマネージメントをしている院長夫人と開設以来のベテランの保育士さん。この二人の関係がとても良かったのが印象に残った。二人の視線の交わし合いに、お互いに信頼しあっている様子がとてもよく現れていた。いろいろあるんですとうなづき合うところにも、大変な中を支え合ってやってきた仲間という感じがある。

毎日の受け入れが、日により季節により大きく変動する。それを支えているのがオンコール保育士だ。常勤の保育士2人に、7人のパートの保育士さん。受け入れ人数により保育士の必要数が変わってくるので自宅待機してもらっていて、必要に応じて電話でお願いするというシステムだ。なかなか大変な仕事だと思う。

部屋の作りにも工夫がある。小さい保育室には仕切りがあって、広げて運用することもできる。受け入れの人数や感染症の隔離の必要状況に、柔軟に対応できる。なるほどこういう作り方もあったのかと感心した。

実際に12月から病児保育所を運営し始めてからの見学だった。聞きたいこと、知りたいことの問題意識がはっきりしていたので、今回の見学はとても実りの多いものになった。なにより、長く実践しているところのお話を聞くことができて、これからの見通しが持てたことが大きな収穫だ。

滋賀で子育てを語る

滋賀の友人に頼まれて、大津市のアルプラザというスーパーでミニ講演をした。




平和堂アルプラザというスーパーが地域貢献のために場所を提供していて、それをNPOちっちが引き受けて「ちっちひろば」と名うって子育て支援の取り組みをしている。

ちっちと言えば琵琶湖のいっこさん。前半は、いっこさんによるパネルシアター「ねこのおいしゃさん」。




いっこさんの講演はたびたび聞いていたが、パフォーマンスははじめての体験。子どもをひきつけていく技量は相当のものだ。表情、視線、声のトーン、間合い。いっこさんは、保育士だからと言うが保育士だからってできることじゃない。根っからの芸人だって思う。そして、いっこさんの秘密兵器「さんちゃん」登場。




これが噂に聞いていたいっこさんオリジナルの腹話術。これがまた玄人顔負けの素晴らしさ。本当に芸達者な人だ。すっかりその場を魅了してしまった。

後半、いつもはいっこさんの子育て談話のところを私に仕事を回してくれた。お母さん向けのお話をということで、いつも話している内容を凝縮してお話しすることにした。

1)子育ての目標
2)人間とはどういう存在か
3)良い人間関係
4)勇気を与えよう

昨日アドラーの研修会に参加していたので、それに触発されて、少し劣等感のお話をした。人間は、現在の状態を劣等ととらえてそれを補償するために様々な行動を起こす。子どもの不適切な行動も、何らかの形で、所属に失敗し、劣等の位置に落ちたことの補償とかんがえられる。だ から、子育てのときに大切なのは、子どもたちに過剰な劣等感を持たせないようにすること。自分には能力がある、人々は仲間だと感じられるような働きかけをしよう。そのために必要なのは、いっぱい遊ぶこと、一緒に家事をすること、そしてしっかり話し合うこと。

小さい子どもたちがたくさん来てくれていた。こんな風に子連れで参加できる場があるのが大事だ。お母さんたちは、小さい子の世話を焼きながらも、みんな熱心に聞いてくれ、質問もたくさん出してくれた。お母さん方の熱意を感じる。

こうやって仕事ができることをとてもありがたいと感じる。アドラー育児の目標は、世のため人のために生きる人を育てるということだ。お話させてもらい、いい反応があり、喜んでもらえて、私自身が社会に貢献できているという実感を得る。こういう機会を通して私自身が成長させてもらっているのだと思う。

新しい育児プログラム

アドラー心理学の研修会に参加した。

育児プログラム「パセージ」の続きに当たる「パセージプラス」というコースの実験プログラムだ。パセージは、初心者向けのコースなので、理論的な説明が十分でないところがある。また、パセージプラスは、パセージだけでは解決しないやや複雑な問題にも対応することができる。

「子どもの不適切な行動にどう対処するのか」ということがテーマだ。実際のエピソードを出し合って、グループで話し合う。どんな対処をしたのか、どんな感情だったのか、何を目指してその行動をしたのかなどについて考えて行く。

最近あった出来事をまな板に乗せる。みんなで考えて行くうちに、次第に自分の行動の背景(私的感覚)が明らかになっていく。その過程がとても面白い。結局アドラー心理学でいう「ライフスタイル」を意識しながら物事を考えて行くということだ。

今年の末くらいから、本格的にコースが始動するらしい。引き続き研修会に参加して、七飯でもコースができるようになるといいと思う。

久しぶりにアドラーの研修会に参加しとてもいい刺激を受けた。アドラーの仲間たちに出会えたこともうれしい。いいリフレッシュになった。

みんなで話し合う

今日は定例の職員会議の日。
この間懸案となっていた予防接種の受付方法の話をした。




今は一般外来に交じってワクチンの接種をしている。診察室が3つあるので、早めに診察室に誘導して、なるべく感染を防ぐように配慮してきた。けれども、さすがにこの秋から冬の混雑時には、交差しないようにするのにも限界があった。車の中で待ってもらったりしていたが、ワクチンを受けるのは赤ちゃんが多いので、お母さん方にも結構なストレスだ。

以前から気になっていて、ワクチンの人が来たら奥に誘導してしまうとか、ワクチン優先時間帯を設けたりとか、いくつかの方法を試してきた。今回時間をとってしっかり議論することができた。みんなわがことのように熱心に意見を出してくれた。いろんなアイデアが出て、最終的にあらたに予防接種だけの枠をとることに落ち着いた。

4月から月、水、金曜日の午後、午後2時半から3時を予防接種外来とする。その代り一般外来の受付開始を遅らせて午後3時からにする。ずいぶんと大きな診療時間帯の変更だ。この結論に至る話し合いの経過がとても貴重に思える。アイデアを出し、どんな不都合があるかを考え、疑問や不安を出し合い、案を修正し、みんなが納得して、これで行こうって決まる。参加するってこういうことなのだ。

すてきな贈り物

マリオキャラクター大好き少年から、マリオとルイージとワリオが届いた。
まりおるいーずわりお

ガラス絵具で描いたものだ。なかなか味わいのある絵だ。
3つとちょうと数がいいので、さっそく診察のドアに貼った。
どあ

外来に来た子どもたちに大受けだ。
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はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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