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学会でアドラーを語る

外来小児科学会で、一つのワークショップを受け持った。
”『勇気づけ』の子育て支援を学ぼう~アドラー心理学ワークショップ1『お母さんを勇気づける』”

アドラー心理学は、小児科の分野でとても役に立つ心理学だと思う。が、いかんせん、必ずしもポピュラーではない。少しでも、小児科医療に携わる人たちの中に広めたいと思っていた。アドラー仲間の小児科医から提案を受け、二つ返事で引き受けた。小児科クリニックを運営している小児科医3人で相談してやることにした。

30人定員で募集したら、受け付け開始早々予約でいっぱいになった。期待の高さを感じる。

3つのクリニックとも、アドラーとの出会いはわが子の不登校からという共通点を持っている。夫婦でアドラーをやっているのも共通している。徳島、新潟、函館と遠く離れていても、アドラー大好きの3人だから、インターネットを駆使して楽しく準備を進めることができた。

アドラー心理学の分野では、ワークショップ形式で学ぶのは慣れている。他のアドレリアン仲間にも相談し、小児科のスタッフ向けに、「お母さんを勇気づけるコミュニケーションを学ぶ」ためのものに手直しした。

○講義:アドラー心理学の理論の簡単な講義
○演習1:勇気づけのコミュニケーションをペアになって体験してもらう
  尊敬をもって話を聞く
  相手を信頼して話を聞く
  具体的な出来事を聞く
  感情や考えを聞く 
○演習2:リフレーミングワーク
  自分の短所、長所を書きだす
  短所をポジティブに言い換える(グループで)
  長所と言い換えの中から
   自分の力、可能性、強さ(パーソナルストレングス)を選ぶ
○演習3:事実と意見のワーク
  エピソードをもらう
  事実と意見に分ける
  事実から、世界・私・他者のパーソナルストレングスを出していく
  パーソナルストレングスを頭において最初のエピソードを読み返す

概略以上のような内容のワークショップだった。5つのグループに分かれ、それぞれにアドラー仲間に入ってもらって、各グループをリードしてもらった。

どのグループも、とてもいい雰囲気で話し合いが進み、何とか最後の結果を出すところまで行き着いた。まったく初めての人ばかりの中で、結構難度の高いワークだったかもしれない。けれども、アドラー心理学の魅力を伝えるのに、できれば「語り直し」の入り口だけでも味わってもらいたいという願いを持っていた。どのグループでも、表現は違っても、「風景が変わって見える」という感想をいただいた。

また、グループで議論しながら協力しながら話し合いを進めていくという過程で、アドラーのキーとなる考え方「共同体感覚」を学ぶ場にもなったのではないかと思う。外から見ていて、すべてのグループが暖かい雰囲気で話し合いが進んでいくのが、とてもよく伝わってきた。

参加者の皆さんの学びとって帰りたいというあつい思いがあったことも大きい。皆さん積極的に参加してくれた。そしてなにより、各グループに入ってくれたリーダーのおかげだ。よくこれだけの人がそろったと思う。ぎりぎりになってお願いした人もいるのに、みんなよくやってくれた。

勇気づけワーク

一つのことをやり遂げた喜びがあふれ出た写真だ。
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はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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