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発達障害を学ぶ

昨日に引き続き、両角さんにサポーター養成講座の特別講座「発達障害を学ぶ」を担当してもらう。昨日の講演を聞いて急きょ参加した人もいて、20人と大変盛況な会になった。
こうざ

まずは、参加者から子どもの困った行動を聞いていく。一つ一つの行動に対して、子どもの気持ちから考え、どのように対応していくのかを説明してくれる。特に、我がことの体験を交えて話してくれるので、具体的だし、説得力がある。一つの行動から、発達障害を持つ子ども達の背景を縦横無尽に語ってくれる。

おおよそ以下のようなことが説明されていた(配布資料から)。

接し方ポイント10カ条
■挨拶はおだやかにやさしく
■叱るのではなく、ゆずらない
■あいまいなコトバは使わない
■指示の予防接種
■守れるルールづくり
■ストライクゾーンをひろげる
■活動の流れや約束事は視覚的にも伝える
■あわない方法はすっぱりきっぱりあきらめる
■ダラダラではなくメリハリあるスケジュール
■本人のプライド尊重

具体的な内容は、ぜひ両角さんの本を読んでほしい(「発達が気になる子どもの保育」芸術教育研究所監修、黎明書房)

単に、1対1の関わりにとどまらず、常に地域との関わりを意識して話していた。学校の先生との関わりや、地域の人との関わりのことをたくさん話していた。まわりを敵にしない、何か問題があったら、出かけて行って話しをする、そのことでサポーターを一人増やすことになるという言葉が、とても印象的であった。

午後からは、具体的な支援の一つとして、様々な道具やおもちゃの話をしてくれた。障がいを持つ子どもに優しい道具~ハサミ、クリップ、のりなどなど。障がいを持つ子に優しい道具は、みんなにも優しいということを実感する。
おもちゃ

障がいを持つ子との関係で、一番の課題はコミュニケーションの問題で、いかにコミュニケーションを豊かにしていくのかという時に、遊び・おもちゃの問題に突き当たる。そして、みずからおもちゃコンサルタントの資格をとって、以来、あちこちで、おもちゃの紹介しているという。

遊べない子は集中力がつかない、集中して遊ぶことは仕事にもつながる。遊びの中にもたくさんの学びがある。しかし、支援を必要としている子は自ら学ぶことがむずかしい。そこで、興味を持てるような環境づくりをしたり、その子の得意分野(視覚、触覚、聴覚)に刺激を与えるものを選んだりすることが大切。

難しいことは抜きで、とにかくいっぱいおもちゃの世界を堪能した。お金をかける必要はなく、色々工夫すれば、100均で十分そろうという話もおもしろかった。帰りに100均に探検に行った人もいるのではないだろうか。

両角さんの体験に基づく話は、とてもリアルで説得力があった。特に子どもたちとの愛にあふれるやりとりが、とてもすてきで、ずっと感動しっぱなしであった。まさに養成講座にぴったりの内容だ。この講座の参加者は、これから地域で障がいを持つ、持たないにかかわらず、子どもやその保護者を支援していく人たちだ。具体的な技術、方法論だけではなく、両角さんの底に流れている考え方がとても大事だと思う。

参加者の中には、実際に障がいを持つ子を抱える保護者も参加していて、両角さんの話にとても共感し、「私の考えが間違えていなかった」と安心していた。あのお母さんの笑顔を見れただけでも、よかったと思える講座であった。
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はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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