子どもと学ぶ

北昭和小学校のPTAから依頼があって、子どもたちへの授業とお母さん向けの講演を行った。

依頼があった時、子どもたちに健康のことをお話しできるチャンスだと喜んだ。子どもたちには、人間の体のことを教えたい。生体の仕組みの素晴らしさを知ってもらうことで、自分の体を大事にする健康的な生活スタイルを意識するようになってほしいと願っていた。

話を聞くと、子どもたち向けには、コミュニケーション能力や精神的なたくましさを高めるような授業にしてほしいとのことだった。依頼は、小児科医にというより、アドラー心理学を学んでいるものとしてのことだったらしい。残念だけどうれしい、うれしいけどちょっと残念という複雑な思いだ。

お母さん方向けの講演では、子どもとコミュニケーションが取れなくて悩んでいるお母さん方が多いとのことで、「勇気づけのコミュニケーション」=聞き方ワークをやることにした。

120人の小学生を相手に、コミュニケーション能力を高める授業というのは、思った以上に難題だ。どのように組み立てるのか・・・・・・ずいぶん考えた。形よりも、やはり子どもの内面に迫るものをと考え、「人とかかわる力」=リフレーミングワークをやることにした。

こうざ1

こうざ2

こうざ3

こうざ4

こうざ5

組み立ては、
○アイスブレーク
  ペアになって、じゃんけんで相手の肩をもむ
○グループ討論
  「みなさんはどんな時に幸せを感じますか?」をテーマに6人グループで話し合う
  この発表がとても面白かった。子どもらしい意見、大人と同じように考えている意見、実にさまざま
○ミニレクチャー
  幸せのカギは、「人とつながること」「人の役に立つこと」
  なぜか?それを人類の歴史から考える。
○演習
  自分の長所と短所を書きだす
  グループの中で、それぞれの短所をポジティブに言い換える
  (最後にグループのみんなから長所を一つずつ書き加えてもらう→時間がなくて割愛)

実に子どもたちは素直だ。生き生きと語りあい、発表ではあちこちから積極的に手が上がる。様々な意見が出た。どんな意見も貴重だ。人間にとって「幸せとは何か」ということを大きいところから考えてほしかった。考えること、意見を言うこと、それこそが人とつながることだし、人の役に立つことだ。

最後のワークは、少し難しかったようだ。時間が足りなかったし、120人の子どもたちが椅子に座って、びっしり並んでいるので、じっくり考える余裕がなかったようだ。自分の短所を人に言えない子、短所をポジティブに言い換えられない子。もう少し小さな集団で、ゆっくりと時間をかけてやりたかった。今後、学校の中でこの続きをやってもらえるとありがたいと思う。

でも、子どもたちからはいっぱい元気をもらった。普段あまり聞けない話を外部の人間が話すことで、何かを考えるきっかけになることを願う。

お母さん方には、パセージの聞き方ワークをやってもらった。ただやるのは面白くないので、童心に帰って、一枚の絵をかいてもらう。お母さんの絵とか運動会の絵とか。その絵を小道具に使う。

ペアになり、お母さん役と子ども役に分かれてペアになる。子どもは、幼稚園(学校)で描いた絵をほめられて、お母さんに見せたくてしょうがなくて帰ってきたという設定。そこで、向き合って聞く、最後まで聞く、開いた質問を使って聞くを実体験してみる。その後、尊敬を持って聞く、信頼して聞くを誘導空想でやってみる。

絵を描くことで子どもの気持ちに入り込みやすくなる。子ども役をやってどんなことを感じるのか、それを疑似体験してもらうのがこのワークの狙いだ。狙いはさておき、お母さん方は、実に楽しそうにワークに取り組んでくれた。わいわいと語り合って、いつまでも話していたそうだった。

楽しく学んだことは、定着しやすい。少しでも、子どもの気持ちに近づき、明日からの子どもとのやり取りに変化が起こればと願う。
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学会でアドラーを語る

外来小児科学会で、一つのワークショップを受け持った。
”『勇気づけ』の子育て支援を学ぼう~アドラー心理学ワークショップ1『お母さんを勇気づける』”

アドラー心理学は、小児科の分野でとても役に立つ心理学だと思う。が、いかんせん、必ずしもポピュラーではない。少しでも、小児科医療に携わる人たちの中に広めたいと思っていた。アドラー仲間の小児科医から提案を受け、二つ返事で引き受けた。小児科クリニックを運営している小児科医3人で相談してやることにした。

30人定員で募集したら、受け付け開始早々予約でいっぱいになった。期待の高さを感じる。

3つのクリニックとも、アドラーとの出会いはわが子の不登校からという共通点を持っている。夫婦でアドラーをやっているのも共通している。徳島、新潟、函館と遠く離れていても、アドラー大好きの3人だから、インターネットを駆使して楽しく準備を進めることができた。

アドラー心理学の分野では、ワークショップ形式で学ぶのは慣れている。他のアドレリアン仲間にも相談し、小児科のスタッフ向けに、「お母さんを勇気づけるコミュニケーションを学ぶ」ためのものに手直しした。

○講義:アドラー心理学の理論の簡単な講義
○演習1:勇気づけのコミュニケーションをペアになって体験してもらう
  尊敬をもって話を聞く
  相手を信頼して話を聞く
  具体的な出来事を聞く
  感情や考えを聞く 
○演習2:リフレーミングワーク
  自分の短所、長所を書きだす
  短所をポジティブに言い換える(グループで)
  長所と言い換えの中から
   自分の力、可能性、強さ(パーソナルストレングス)を選ぶ
○演習3:事実と意見のワーク
  エピソードをもらう
  事実と意見に分ける
  事実から、世界・私・他者のパーソナルストレングスを出していく
  パーソナルストレングスを頭において最初のエピソードを読み返す

概略以上のような内容のワークショップだった。5つのグループに分かれ、それぞれにアドラー仲間に入ってもらって、各グループをリードしてもらった。

どのグループも、とてもいい雰囲気で話し合いが進み、何とか最後の結果を出すところまで行き着いた。まったく初めての人ばかりの中で、結構難度の高いワークだったかもしれない。けれども、アドラー心理学の魅力を伝えるのに、できれば「語り直し」の入り口だけでも味わってもらいたいという願いを持っていた。どのグループでも、表現は違っても、「風景が変わって見える」という感想をいただいた。

また、グループで議論しながら協力しながら話し合いを進めていくという過程で、アドラーのキーとなる考え方「共同体感覚」を学ぶ場にもなったのではないかと思う。外から見ていて、すべてのグループが暖かい雰囲気で話し合いが進んでいくのが、とてもよく伝わってきた。

参加者の皆さんの学びとって帰りたいというあつい思いがあったことも大きい。皆さん積極的に参加してくれた。そしてなにより、各グループに入ってくれたリーダーのおかげだ。よくこれだけの人がそろったと思う。ぎりぎりになってお願いした人もいるのに、みんなよくやってくれた。

勇気づけワーク

一つのことをやり遂げた喜びがあふれ出た写真だ。

ただいま準備中

「秋祭り」に寸劇を披露する。

12月に「病児保育」を開設する予定だが、秋祭りでその宣伝をしようと考えた。ただ、話をするのはおもしろくないので、劇仕立てにすることにした。

げき2

げき3

げき4

なかなかみなさん芸達者だ。アドリブが入ったり、演技指導が入ったり、真剣に、かつ楽しく、時のたつのも忘れ、まるで子どものように楽しんだ。

げき1

なにより、劇作りを通して、スタッフの職員のきずなが深まっていくのがうれしい。

さて、当日はいったいどんな仕上がりになるのか?乞うご期待。








能力を高める

午後お休みをいただいて、職員の研修会をした。

本当は、先週の木曜日の午後に引き続きの「コンピテンシーワーク」をやる予定であった。けれども、ちょうど外来小児科学会のための「勇気づけワーク」を準備していたので、スタッフ相手にやってみることにした。

スタッフワーク

思った以上にいいワークになった。今までお母さん向けにやっていたワークを、外来で働くスタッフ向けに手を加え、「お母さんを勇気づけるコミュニケーション」を学べるように作り直したものだ。まさにスタッフの「コンピテンシー」を高めるにふさわしいものとなった。

クリニックの外で講演やワークをやることが多い。けれども、なかなかスタッフにシェアできていない。せっかくいいものをやっているのに、職員に還元しない手はない。今回の研修会はとてもいい機会になった。

5歳時健診に参加する

知内町の5歳時健診に参加した。今年度からの新たな取り組みだ。知内町は、小さい町ながらも、出生率が高い。以前より子育て支援に力を入れていることの現れだろう。この5歳時健診というのも、道南地域でも先駆けとなる意欲的な取り組みだ。

縁があって、この5歳時健診に小児科医として参加することになった。5歳時健診は、私にとっても初体験。事前に少し勉強した。5歳時健診の意義は、学校に上がる前に社会性に課題を持つ子ども達を拾い上げて、適切な支援を開始することにある。
しゅうだんあそび

医師の診察、短時間の面接だけでは、もちろん足りない。保育所・幼稚園での日頃の様子、保健師による問診、保育士による読み聞かせ・集団遊び、特別支援教室の教諭による発達相談、栄養士による栄養相談も並行して行い、そして事前と事後にカンファレンスを行う。
かんふぁれんす

1回の人数は15人。一人一人をじっくりと見ることができる。一番の楽しみは、他職種が参加する事後のカンファレンスだ。それぞれの立場から見た子どもの姿をシェアして、今後の方針を決めていく。立場が変わると子どもの見方が変わってくるということがよくわかった。こうやって複数の目で見ていくことがとても大切だ。とても勉強になる。

この場で発達障害の診断をするわけではない。課題を抱えた子どもに、どこで、誰が、どんなふうに働きかけていくのが有効なのかを考える。目指しているのは、子どものより良い発達だ。もしかしたら、これだけ小さい町だから、全員を把握するのは、そう難しいことではないし、それなりに目が行き届く。でも、こういうカンファレンスを通じて、サポートする立場の人間が同じ言語で、同じ目線で子ども達を見ていく
ことができるということが、とても大切なのだと思う。
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はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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