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障害特性を理解する

待ちに待った講座が始まった。“発達障害を持つ子への援助を学ぶ連続講座”。講師は、発達障害支援センター「あおいそら」の片山氏。おかげさまで、17人もの方が参加申し込みをしてくれた。クリニックの2階がぎちぎちになってしまった。様々な職種の人が集まった。こうして発達障害に関心のある方たちと一緒に学べるのがありがたい。

こうざ

開業してから、ずっと発達障害に関して関心を持ってきた。開業小児科医にできることがもっとあるのではと思う。そのためには、自分自身が発達障害を見る目を養っていかなければと思っていた。この講座を開講したのは自分自身の要求からだった。

今回はその第1回「自閉症の特性理解と評価」。まず自閉症(自閉症スペクトラム)の障害特性を理解しようということが強調された。自閉症だから問題行動をするわけではない。例えば、他の子どものおもちゃを取るのは自閉症だからではない。どうしてこの子が他の子どものおもちゃをとるのかを考えることが大切。

自閉症には、3つの障害特性がある。社会性の障害、コミュニケーションの障害、創造力の障害。そして、その障害特性の背景に脳の働きの違いがあるのではないかと言うことが言われている。

脳の働きの違いには、『セオリーオブマインド(他の人の頭の中にある情報を理解する能力)』、『実行機能(複数の事柄の優先順位を決め計画を立てて実行する能力)』、『セントラルコヒーレンス(いろいろな情報をまとめて全体像をつかむ能力)』の3つがあげられている。このそれぞれについて詳しくお話ししてくれた。自閉症の人たちは、これらの働きが多かれ少なかれ障害されていのではないかと言われている。

この説明を聞いて、深く納得するところがあった。いずれの働きも、私たちは意識しないで自然にやってしまっている。だから、自閉症の人たちができないということになかなか思い至らない。表面に見える障害は理解がしやすい。しかし、こういう脳の働きの違いに関しては、あらためてこうやって説明を受けないとなかなか理解することができない。今回はこの説明を聞けたことが一番の収穫だったと思う。なるほど、そういうことを意識して、自閉症の子どもたちとつきあっていけばいいのだと言うことが分かった。

学ぶのはおもしろい。知ることで私の行動が変わるのだろう。この講座は全6回、まだまだ続く、これからが楽しみになった。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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