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インフルエンザの流行を占う

昨日の夜は、新型インフルエンザ対策セミナーというものに参加してきた。昨年の新型インフルエンザ騒動の記憶がまだ新しい。今は沈静化しているとはいえ、この秋から冬の流行が気になるところだ。

昨年の新型インフルエンザは、メキシコから始まり世界中に広まった。世界214カ国で発生、死亡例は19,449人であったそうだ。日本と他の国では、新型インフルエンザの流行の仕方に違いがあった。もっとも顕著な違いがあらわれたのは、死亡率。他の国では、人口10万人に対して、0.5~1.3くらいであったのが、日本では0.15とかなり低い。世界中からなぜ日本では低かったのかと聞かれるのだそうだ。

まるで、ウイルスが異なっているかのようだ。しかし、DNA検査でも同じウイルスであることが確認されている。一部で昨年のインフルエンザ騒動を騒ぎすぎだと言う批判があるようだが、この日本の死亡率の低さは、官民を挙げての予防対策の成果ではないかということだ。

講師の方があげていたのは、
 ○皆が知っていて注意した
 ○個人衛生レベルが高い
 ○医療機関への受診が容易
 ○医療費が安い
 ○医療機関がまじめに取り組んだ
ということだ。

まず、日本のインフルエンザも決して軽症であったわけではない。従来の季節型に比べて、重症例の割合は多かった。重症例/総報告数をみると、
08-09年:16/72,760に対して、09-10年:157/86,250と圧倒的に重症例の割合が多い。それにもかかわらず死亡例が少なかったのだ。

それと初期対応が的確であったと言う証拠がある。最初の報告があった5月9日以降、近畿地方を中心に小流行があったが、その後およそ1カ月ほど小康状態があり、6月以降全国に広まった。このタイムラグにより、地方への情報の伝達やワクチンの開発など、様々な対策を練る時間を稼げたということだ。

しかも、初期の近畿地方の流行とそれ以降全国に広まったウイルスの系統が違う。他の地域は、国内からの伝搬ではなくて、他の国から別のルートでウイルスが侵入したことが分かると言う。近畿地方の小流行を一度は制圧することに成功したということだ。

積極的な学校閉鎖・学級閉鎖、手洗い・うがいの励行、抗インフルエンザ薬の使用の奨励、重症例の積極的な入院加療、比較的早期のワクチンの開発などが功を奏したということであろう。


ところで、今期のインフルエンザはどうなるのであろうか?

現在、北半球ではインフルエンザは小康状態だが、南半球では散発的に流行している。それによると、B型とA香港型が検出されているらしい。新型はごくわずかだ。南半球での検出のされ方で占うと、今シーズンはB型とA香港型がはやりそうだ。新型も侮りがたい。新型に対する抗体保有率はまだ低いと思われるので、出始めればはやるものと思われる。

今年のインフルエンザワクチンに含まれる抗原の型が決定された。
 新型【A/California/7/2009(H1N1)-like virus】
 香港型【A/Perth/16/2009(H3N2)-like virus】
 B型【B/Brisbane/60/2008-like virus】

今年は、新型と季節性と両方が入ったワクチンなので、接種は一回で済む。ぜひ、多くの方に接種してもらいたいものだ。今のところ10月から市場に出回るらしい。当クリニックでも9月ころから予約を受け付ける予定だ。(予約を開始するときはHPでお知らせします)
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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