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病気の子どもの発達保障

18,19日と全国病児保育研究大会に行ってきた。今回で20回を数える記念すべき大会だったらしい。

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病児保育は、文字通り病気の子どもを保育する施設だ。普通の保育園では、病気の子は預かれない。熱が出たら、すぐお迎えが当たり前。しかし、子どもが急に熱を出したからと言って、親はすぐに仕事を休むというわけにもいかない。祖父母や友人に頼るか、ファミリーサポートセンターにお願いするか。中には、どうしても他に頼るところがなくて職を失うケースさえある。

そんな時、病児保育は頼みの綱だ。道南では、函館市内に1施設、北斗市に1施設ある。地域からの要望は強いが、残念ながら七飯にはまだない。七飯に開業するときから、うちのクリニックで手がけてもいいなと思っていた。

この大会を主催する全国病児保育協議会には20年の歴史があり、全国の病児保育施設445か所が加盟している。ここから学ぶことは大きい。これからの展開に生かすために、先達の経験は貴重だ。

病児保育は、単に病気の子どもを預かるというだけではなく、病気を抱えている子どもの発達・成長をきちんと保障するところでもある。だから、保育と看護が両方関わっている。病気のことはもとより、発達や心理のこともしっかりサポートしながら、日々の保育を実践している。

ポスターセッションで、あちこちでのさまざまな取り組みを聞かせてもらった。うちで取り組む時の参考にできる工夫がたくさんあった。それに、病児保育は、うちのクリニックが目指す『健康小児医学』の実践そのものだとあらためて実感することができた。

感染対策、食物アレルギーへの対応、他の施設との協力協同、合同勉強会、行政とのつながり、クリニックとの連携(ネットワークによろ相互通信システム)、病気の重症度に応じた保育目標、発達障害の子どもたちへの対応など実に熱心に取り組まれている。特に保育士さんたちが元気だ。

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今のところ、病児保育は赤字なのだそうだ。国は、受益者負担を進めるために、補助金を減らして利用料を高く設定させようとしている。しかし、そう簡単に利用料に転嫁できないので、各施設がその分をかぶっているのが実態なのだそうだ。子どもの健康を守るのは、国家としても大切な政策だと思う。

経営的な面はさておいても、ぜひこの七飯の地に病児保育を作りたい。幸いなことに、七飯町は子育てに関する施策を厚くしている。実現の可能性は高い。地域から求められていることもあるし、子どもの豊かな成長発達を保証する一つの運動として、ぜひ取り組んでいきたいと思った。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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