つくしんぼ学級見学
今日は、高橋先生の案内で、ゆうあい会の知的障害児通園施設つくしんぼ学級を見学した。先日顔見知りになった、ゆうあい会の常務大場先生もご一緒してくれた。
つくしんぼ学級の歴史は古い。昭和50年というから、今から35年も前の話だ。5年前に現在の場所に移転新築されたもので、まだ新しい木の香りがする建物であった。
つくしんぼ学級では、徹底した構造化(TEACCHプログラム)の手法をとっている。構造化と言うのは、自閉症の人の特性に合わせて、環境を視覚的に分かりやすく整理し、再構成することだ。一人一人の理解しやすい方法で、その場面で何をすればよいのか、次にどんなことが待っているのかをはっきり示す。状況が理解しやすくなるので、安心感を持つことができ、適切な行動をとりやすくなるので、自己評価を高めることができる。ひいては、自立した行動ができるようになるのだ。
一通り園舎を見回りながら、園長先生が身振り手振りで説明してくれた。どんなに子どもたちがのびのびと暮らしているのか、どんなに職員が頑張っているのかを実に楽しそうにお話してくれる。
自閉症の子たちは予定変更に弱い。普段の生活の中では、予定通りにならないことは多々ある。だから、予定変更もプログラムの中に組み込んでいる。まずは、予定が変更されて楽しいこと、好きなことができると言う経験から積んでいく。予定を変更しても楽しいことがある。そういう経験をいっぱいすることで予定変更に対して、耐性ができ、その強さが自信にもつながっていく。
家族の部屋が用意されている。遠くから来た人がそこで休んでいたり、保護者同士でお話したりする部屋だ。さまざまな行事が録画されていて、それを保護者の方が自由に見ることができる。自分がいないときにわが子がどんな様子なのかを確認できる。また自分の子どものうつっているところをDVDにダビングできるのだそうだ。保護者同士の交流は大切だ。同じ境遇の親同士わかりあうのも早い。そして、先輩の体験談は後輩にとっては何よりもありがたい。
その後、ゆうあい会の本部で、大場先生のお話をゆっくりうかがった。ゆうあい会の歴史も含めて、自閉症関連のお話をいろいろとお話してくれた。
TEACCHを取り入れた時はとても大変であったらしい。けれども、なによりTEACCHの構造化を取り入れてから、障害を持っている方の生活がとても安定した。なかなか日本には受け入れられていない。熱心な人ほど、自分の愛情で何とかしようとする傾向があるのだそうだ。TEACCHの手法は、一見冷たいようだけど、自閉症の人たちにとっては、とても安心できるシステムなのだと言うことを強調されていた。
小さい時に構造化の手法の中で育った子どもは、その後の中断期間があっても、後々の適応がいいということがきちんとデーターで出ている。幼少期に通園施設で、構造化を取り入れられても、その後の学校を含めた社会は必ずしも構造化されているわけではない。それでも、幼少期に構造化のシステムの中で療育されることは大きな意味があるのだという。それは、世界に対する安心感と自分に対する自信を獲得することができるのだろう。
今回の見学研修で、あらためて早期に診断し、早期に療育プログラムに乗せていくことがとても大事であることを学んだ。その意味ではうちのような小児科のクリニックの役割も大きいのではないかと思う。ときどき、子どもの発達に関してお母さん方から相談を受ける。
うちで明確な診断ができるわけではないが、診断を受ける前に家でできることをきちんと指導できるようになりたいものだと言ったら、高橋先生から、「まずは、お母さん方に、今の子育てで十分ですよ、大丈夫ですよと伝えてほしい」と言う。
焦って技術面だけを教えても、かえってお母さん方を不安にさせることなるのではないかということだ。なるほど、確かにそういう側面もある。お母さんが安心して、子どもとの関係をゆったりと作れるようになってから、もう少しこの面を何とかしてあげたいとなった時に、療育に取り組むようにした方がいいということだ。発達障害の保護者と長く付き合っている先生ならではの言葉だ。
アドラー心理学を学んでいる私にできることは、やはりお母さん方を勇気づけることだろう。早期診断、早期療育が大切だと言うことを頭に置きつつ、それ以上にお母さん方が、わが子と前向きに関わる意欲を持つことを大切に援助をしていきたいと思った。
つくしんぼ学級の歴史は古い。昭和50年というから、今から35年も前の話だ。5年前に現在の場所に移転新築されたもので、まだ新しい木の香りがする建物であった。
つくしんぼ学級では、徹底した構造化(TEACCHプログラム)の手法をとっている。構造化と言うのは、自閉症の人の特性に合わせて、環境を視覚的に分かりやすく整理し、再構成することだ。一人一人の理解しやすい方法で、その場面で何をすればよいのか、次にどんなことが待っているのかをはっきり示す。状況が理解しやすくなるので、安心感を持つことができ、適切な行動をとりやすくなるので、自己評価を高めることができる。ひいては、自立した行動ができるようになるのだ。
一通り園舎を見回りながら、園長先生が身振り手振りで説明してくれた。どんなに子どもたちがのびのびと暮らしているのか、どんなに職員が頑張っているのかを実に楽しそうにお話してくれる。
自閉症の子たちは予定変更に弱い。普段の生活の中では、予定通りにならないことは多々ある。だから、予定変更もプログラムの中に組み込んでいる。まずは、予定が変更されて楽しいこと、好きなことができると言う経験から積んでいく。予定を変更しても楽しいことがある。そういう経験をいっぱいすることで予定変更に対して、耐性ができ、その強さが自信にもつながっていく。
家族の部屋が用意されている。遠くから来た人がそこで休んでいたり、保護者同士でお話したりする部屋だ。さまざまな行事が録画されていて、それを保護者の方が自由に見ることができる。自分がいないときにわが子がどんな様子なのかを確認できる。また自分の子どものうつっているところをDVDにダビングできるのだそうだ。保護者同士の交流は大切だ。同じ境遇の親同士わかりあうのも早い。そして、先輩の体験談は後輩にとっては何よりもありがたい。
その後、ゆうあい会の本部で、大場先生のお話をゆっくりうかがった。ゆうあい会の歴史も含めて、自閉症関連のお話をいろいろとお話してくれた。
TEACCHを取り入れた時はとても大変であったらしい。けれども、なによりTEACCHの構造化を取り入れてから、障害を持っている方の生活がとても安定した。なかなか日本には受け入れられていない。熱心な人ほど、自分の愛情で何とかしようとする傾向があるのだそうだ。TEACCHの手法は、一見冷たいようだけど、自閉症の人たちにとっては、とても安心できるシステムなのだと言うことを強調されていた。
小さい時に構造化の手法の中で育った子どもは、その後の中断期間があっても、後々の適応がいいということがきちんとデーターで出ている。幼少期に通園施設で、構造化を取り入れられても、その後の学校を含めた社会は必ずしも構造化されているわけではない。それでも、幼少期に構造化のシステムの中で療育されることは大きな意味があるのだという。それは、世界に対する安心感と自分に対する自信を獲得することができるのだろう。
今回の見学研修で、あらためて早期に診断し、早期に療育プログラムに乗せていくことがとても大事であることを学んだ。その意味ではうちのような小児科のクリニックの役割も大きいのではないかと思う。ときどき、子どもの発達に関してお母さん方から相談を受ける。
うちで明確な診断ができるわけではないが、診断を受ける前に家でできることをきちんと指導できるようになりたいものだと言ったら、高橋先生から、「まずは、お母さん方に、今の子育てで十分ですよ、大丈夫ですよと伝えてほしい」と言う。
焦って技術面だけを教えても、かえってお母さん方を不安にさせることなるのではないかということだ。なるほど、確かにそういう側面もある。お母さんが安心して、子どもとの関係をゆったりと作れるようになってから、もう少しこの面を何とかしてあげたいとなった時に、療育に取り組むようにした方がいいということだ。発達障害の保護者と長く付き合っている先生ならではの言葉だ。
アドラー心理学を学んでいる私にできることは、やはりお母さん方を勇気づけることだろう。早期診断、早期療育が大切だと言うことを頭に置きつつ、それ以上にお母さん方が、わが子と前向きに関わる意欲を持つことを大切に援助をしていきたいと思った。
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