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母乳育児の勧め

17日母乳育児に関しての院内の学習会を行った。

クリニックを開業してから、ぜひこの地でも母乳での育児を広める活動をしたいと思っていた。今回縁あって、なでしこ母乳育児相談室(http://www.h-maneki.net/nadesiko/)の小松先生に来ていただけることになった。小松先生は、2000年に函館の地で開業して以来、10年間にわたって母乳育児を積極的に進めている。

うちのクリニックでも乳児健診などの機会に、母乳についての相談がある。しかし、母乳不足や乳腺炎などの相談に十分応え切れていないという思いがあった。知は力なり、あらためて勉強しなおしてみようと思った。

幸いなことに私自身は、母乳育児を進める総合病院で研修することができた。そのため、母乳の大切さと言うことは分かっているつもりだし、できるだけ母乳でと言うのは、当たり前のように思っていた。それでも、まだまだ母乳育児を進める上での実際的な知識とスキルが足りないと言うことを実感した。

今回の収穫の一つは、母乳育児の成功のカギがとにかく回数を多く吸わせることにあるということ。中には夜6時間も7時間も寝てくれる赤ちゃんもいる。でも、母乳のためには、4時間くらいで起こして赤ちゃんに吸ってもらった方がいい。

また、母乳は溜まってからそれを飲ませるのではなく、溜まらなくても吸うことによってどんどん新しく作られていくから大丈夫なのだと言うこと。このあたりは、実体験がないから聞いて始めて知る知識だ。

授乳中のお母さんの食事のことも大切にしなければならない。離乳食のことには気を配ってきたが、あらためて授乳中の母の栄養管理と言うことにも気を配っていきたい。

小松先生は、とてもわかりやすくやさしくお話をされる。でも母乳にかける情熱には並々ならないものがある。きっと芯のある方なのだろう。たくさんの事例に会って、たくさんの経験に裏打ちされた知恵が豊富だ。母乳のことで困ったら、即電話して的確なアドバイスをもらえそう。とても心強いことだ。

ちょっと驚いたのは、地域では足りなければすぐにミルクという風潮がまだ多勢であるということだ。実際、ごく最近、1カ月健診に行った先で、全然足りないと怒られて、母乳はやめて即ミルク、しかも時間授乳で泣いても我慢させるようにという指導されたという事例に出会った。

本当は1カ月健診で出会うのでは遅すぎるのではと思う。産院にいるときから母乳指導は始まり、一番困難なのは、退院してからの1週間ではないかと思う。生後2週間で母乳相談と言う流れができればいいのになと思う。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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