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発達を支える

昨日、無事子育て講演会を終えた。行楽日和の中、結局78人もの人が参加してくれた。椅子が足りなくなったり、資料が足りなくなったり、うれしい悲鳴を上げていた。

テーマは「『むずかしい子ども』『気になる子ども』が教えてくれること」。講師は、おしま地域療育センター 高橋和俊氏、私の最も尊敬する臨床医の一人だ。

子育て講演会1

高橋先生はいつもいい話をしてくれる。今回のテーマは、「発達障害の子どもに対する子育てや教育の工夫が、定型発達の子どもの子育てや教育にも役立つ」ということ。高橋先生は、発達障がいの専門家だ。でも、彼の話を障害を持つ子の親やそれにかかわる教員や保育者にとどめておくのはもったいない。普通に育っている子、ちょっと困っているが障害と言うほどではない子どもたちの、親やそれにかかわる教員や保育者にも、ぜひ知ってもらいたいと思う。今日の話を聞いてますますその思いを強くした。

今回の企画にあたっては、七飯保健センターの方々にとてもお世話になった。場所の設営やら機材の借り出し、垂れ幕の用意、そして当日の運営まで。ありがたいことだ。やっぱり七飯はいい街だと思う。

高橋先生は、しっかり整理してお話してくれるので本当に分かりやすい。スライドも丁寧に作られている。今回の話は、3部構成になっていた。

それぞれのまとめを再掲してみよう。
まとめ①
「むずかしい子ども」「気になる子ども」をどう捉えるか
・「むずかしい子ども」「気になる子ども」に対しては、「子どもの理想像」に子どもや子育て、教育を合わせようとするのではなく、
・「一人ひとり違う子ども」「一人ひとり違う保護者」に合った工夫のある子育てや教育をするということが大切
・すべてを「医療機関で診断→特別な対応」ではなく、まずは通常の子育てや教育の中で、一人ひとりに合わせた対応をしていくことが重要
・「一人ひとり違う子ども」に合わせた対応をするには、発達障がいに対する知識が役立つことが少なくない

まとめ②
発達障がいを持つ子どもたちに学んでほしいことの基本
・この世の中や、周囲の人が、理解できる・安心できる・信頼できるものであること
・コミュニケーションは、楽しく、便利なものであること
・「自分は自分のままでいい」こと
・自分に長所があることと、その生かし方
・苦手なことがあってもよいこと、ただし、苦手なことは人とは違う、自分に合ったやり方をしたほうがよいこと

まとめ③
「むずかしい子ども」「気になる子ども」にどう対応するか
・信頼感と安心を育てる
・社会性を育てる
・「働く意欲」「人の役に立つ喜び」を育てる
・金銭管理の力を育てる
・自立の力を育てる
・余暇を過ごす力を育てる

子育て講演会2

以上のことを2時間かけてたっぷりと、たくさんの実例を挙げながら話してくれた。そのあと質疑応答の時間をとった。会場からはあとからあとからたくさんの質問が出された。みんなとても熱心に関心を持って聞いてくれたのだと思う。あふれるばかりの質問に、一つ一つの質問に丁寧に答えてくれる。この辺りは、先生の人柄がよく表れているなと思う。

とてもいい話だなと思うのは、おそらく感じ方、考え方が似ているのだと思う。私が言いたかったことをはっきりと、しかもきちんとした根拠を持って言ってくれる。つい心の中で「そう、そう、その通り」と大きくうなづく。

たとえば、子どもへの働きかけがうまくいかないのは、一つには「肯定的な働きかけよりも、禁止、失跡、行動修正が子育て・教育の中心になっている場合」があるが、もうひとつ「計画性のない放置状態に置かれている場合」もあるのだと言う。

私も、今まで子育て相談を受けてきて、全く同じ結論にたどりつく。教えるべきことは教えなければいけない、しかしそれは子どもに対して、一方的であったり威圧的に教え込んだりすることではない。また威圧的に教えることを否定するあまり、何も教えないで放置してしまうのもよくない。相手にわかりやすい工夫をしながら、根気良く丁寧に教える。アドラーの言葉でいえば、「やさしくかつきっぱりと教える」ということだ。

地域には、まだまだ「むずかしい子ども」「気になる子ども」に悩んでいる親がいる。親だけではなくて、教育や保育、福祉の現場で頑張っている人たちもいる。今日学んだことをクリニックでの日々の実践を通じて地域にも広めていきたい。

そもそも「発達障害の子どもに対する子育てや教育の工夫」を私たち自身がしっかりと身につけて行く必要がある。自分たちが実践できて初めて、人にも伝えられるものと思う。そのために、この秋には「発達障害を持つ子への援助を学ぶ連続講座」を開催する予定だ。(詳細が決まり次第、HPに掲載予定)

高橋先生は、発達障害の子どもへの工夫を考えることは、子育てや教育のユニバーサルデザインを考えることになると言う。私もそう思う。七飯のこの地域が、その子育てや教育のユニバーサルデザインを考え、実践していくモデル地域になり得るのではないかと、ちょっと壮大な夢を見ている。これからのクリニックの一つの方向性を与えてくれた実にいい講演会だったと思う。




横津岳登山

横津岳に登った。
登山というよりハイキングという感じかな?
総勢18人、結構な人数だ。

横津はじめ

目的はゴールすることではなくて、過程を楽しむこと。
いろんな野の花が咲いている、どれだけ見つけられるか?

なにしろ4歳の子どもも参加している。
無理は禁物、疲れたら休む、駄目だったら引き返す勇気を持とうと言って、
みんなで出発した。

途中大きなトラブルもなく、一部脱落組もいたが、無事頂上(?)に到達。

横津頂上

実にいい天気で、見晴らしも良い。
どこまでも空は冴えわたり、空気がおいしい。

野草探検隊もいっぱい成果を上げた。

横津の花1
横津の花2
横津の花4
横津の花5
横津の花6
横津の花7
さて、なんていう花でしょうか?
後でゆっくり調べてみよう。

ついでに、カエルの卵も見つけた♪

横津の卵3
どんなカエルさんになるのかな?

すっかりアウトドア派になった気分。
実に充実した一日だった。




歩く速度で

今日は、仕事を終えてから、七飯文化センターへ映画を見に行った。
第5回北海道ユニバーサル映画祭 七飯上映会。
「アンダンテ~稲の旋律」という映画だ。

ユニバーサル映画祭とは、障害を持っている人でも、一緒に映画を楽しめるようにと、さまざまなサポートを設けた上映会だ。
日本語字幕、音声ガイド、ミュージックサイン、案内や挨拶に手話通訳、要約筆記が用意され、バリアフリーの会場に、聴覚補助システム(磁気ループ)、車イス席、保育室が設置される。
メインは、9月に行われる3日間にわたる上映会だが、今回は一足先に七飯で行われるプレ企画らしい。

上映の趣旨にも共感していたのだが、今回は映画の内容にひかれて見に行った。
大学中退から、引きこもりの生活となった主人公が、農業との出会いを通じて、自分を取り戻していく過程を描いたものだ。
映像もきれいだし、音楽もとてもすてきだった。
とてもていねいに作られた作品だと思う。
公式ホームページ
http://www.ggvp.net/andante/

人間にとって一番の基本は、農にあるということを改めて実感させてくれる。
苗を植え、草取りをして、毎日毎日こつこつと努力を積み上げていくことでしか、安全でおいしいお米はとれない。
「農業をやっているとしょうがないと思うことがよくある。農家の人がどんなに頑張ったって台風を止めることはできない。だから人が怖いということもしょうがないことだって受け止めてみたら?」
こんな言葉に、主人公が救われる。

なにごとも効率を追い求める現代社会の中で、今農業は危機にひんしている。
けれども、この映画の登場人物たちは、悲観的になることなく自分たちのできることから始めようとしている。
一人一人の努力でしか変えていけないけど、変えていこうとしている人たちがいる。

ところどころに出てくる、田舎の駅長さんのつくった標語も効いている。
「卵を割らなければ、オムレツは作れない」

主人公の相手役の姪っ子が言う、
「もう知っていると思うけど、なんにも役に立たなくても、私は千佳ちゃんのこと大好きだからね」

原作者は、とても人間のことをよくわかっている人だ。

仕事を終えて

今日もたくさん働いた。
この頃、とても日が長くなったなあと思う。
仕事が終わっても、まだ明るい。
カルテの整理をして、ふと気がつくと、夜の闇が迫ってきていた。
夜のとばりが降りかかる、とても美しい瞬間だ。

夜景

こんな美しい自然の中で仕事ができることの幸せをかみしめる。
そういえば夏至が近い。
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プロフィール

はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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