FC2ブログ

障害を持つ子とのかかわり方

障害を持っている子どもたちの通園施設に、嘱託医として7~8年かかわっている。今日は、年に1回の医療講演の日だ。

ここの園長先生がとても熱心な人で、単なる内科検診に終わる嘱託医ではなくて、障害持つ子のお母さん、お父さん方のさまざまな悩みに向き合う医師をという、熱い願いにほだされて嘱託医を引き受けた。

そして、年2回の検診だけではなくて、保護者向けの医療講演会を1回、その他に年3-4回の相談会とさらに個別検診の日も設けている。 

必ずしも障害医療専門ではない私の話が、保護者の方々や療育を引き受ける保育士さんに受けている。「医療講演」という名前は堅苦しいし、共に暮らすきょうだいのこと地域とのかかわりなど子育て全般の悩みにもこたえてほしいということで、今年から子育て相談会と言う名前になったという。

講演会


この施設でお話しするのは、ちっとも苦にならない。毎日子どもたちと真正面から向き合い、少しでも多くのことができるようにと子どもに働きかける保育士さんたちがいる。そして、その働きかけに応えるように成長する子どもたちがいる。私の話は、いつもながらちょっと理屈っぽい、でもそれを現場で実践している人がいる。だから安心して話すことができる。

質疑応答の中で、まわりの子どもたちにわが子の障害について聞かれたとき、どう説明していいかわからないという質問があった。

一瞬、答えに詰まってしまった。私の中では「この子に障害があるのは神様の贈り物だ」って言いたい。「子どもの時から障害を持っている子とつきあってもらえるのはいいことだと思おう」とか、「生物にとって遺伝子の多様性が大事じゃないか」とか答えたが、いまいち説得力に欠けた。で、会場のみなさんに頼って、誰かいいアイデアはないでしょうかと振ってみた。それが良かったみたい。

一人の保育士さんが「御覧の通り、私には障害があります。そしてよく子どもたちやはじめて会った方に聞かれます」とご自身の経験を話してくれた。

自分の思っていることを正直に話すようにしている。
障害を隠すことはしないし、したくない。
自分を守ることも大切だから、話す相手を選ぶこともある
障害が治ることがないということも話す。

と言うような話をしてくれた。理屈っぽく私が話すよりも、当事者の言葉を聞くことができたというのはとても貴重であった。私自身も大変勉強になった。

今年施設を卒業して学校に進学した子のお母さん方が何人か来ていた。彼女らはとても明るい。入所してきたばかりとは比べようもなく、輝いている。ハンディを背負ったわが子が、この施設に通い、集団生活を通じて、どんどん変化し成長していくのを目の当たりに見て、なによりお母さん方が勇気づけられ、成長したのだと思う。

実は、弱さを持った人間だからこそつながることができ、つながりを通して強くなれるのだということを実感として学ぶことができた。参加者との交流を通じて講師自身が学べたと言う意味で、とてもいい会だったと思う。
スポンサーサイト



最新記事
カレンダー
04 | 2010/05 | 06
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
アルバム
RSSリンクの表示
検索フォーム