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子育て講座「のびのび」第2弾

5月26日第2回子育て講座「のびのび」のテーマは「子どもの救急」だった。

子どもが急病の時に、家で何ができるのか、どの辺に気をつけたらいいのか、どのような時に病院に行けばいいのかについてお話しした。

まず第1に気をつけること。相手は言葉で十分に表現できない子どもなので、全身状態を観察することが大切だと言う話。すなわちしっかり泣けるか、ちゃんと遊べるか、食欲はあるか、十分眠れるかを見る。それができていれば、たとえ熱が高くても、咳が強くても、他の症状が強くても、あわてることはない。逆に、熱が低くても、他の症状が軽くても、重大な病気のことがある。

次に、症状ごとに、どんなことに注意すればいいのかをお話した。熱、咳、喘息発作、咳、けいれん、腹痛・おう吐、頭痛、やけど、誤飲、外傷、発疹それぞれに対して。

言ってみれば、これらは小児科医の仕事のもっとも本質的な部分。外来で患者さんを前にして、日々繰り返し考えている思考過程を言語化したものと言える。私の十八番(おはこ)の一つ。

後で、少し感想を聞いたら、「わかりやすかった」「子どもを預かっているのでとても役に立った」ということであった。実は、自分でもわかりやすい話だったのではないかと思う。病気のことすべてをお話するのではなくて、注意すべきポイントに的を絞ってお話するようにしている。

<お母さん方に限らず、保育士さんや子育てサポーターの方にも、おすすめのテーマなのです。リクエストがあればお話に行きます。興味ある方はご連絡ください。>

私のパーソナルストレングスは、難しい話を簡単に説明することだと思っている。そういう意味では、地域のかかりつけ医と言うこの仕事が、一番似合っているのだと思う。

アドラーを語る2

5月22日アドラートークの会は、アドラー心理学の理論の2回目「目的論」についてであった。

アドラー心理学では、人間のあらゆる行動には目的があると考える。
よく私たちは、「~だから○○できない」、「私は~だから○○なのだ」と言う風にものを考える。
そうではなくて、「△△したいから○○しない」「△△を逃れるために○○と言う」と常に目的を考える。

たとえば、前回の「個人の主体性」でも使った例だが、「怒っちゃいけないと思うんだけど、つい子どもを怒ってしまうんです」というのは、「怒りと言う感情」が原因で、「子どもを怒ると言う行動」が結果だと考えるので、こういう見方を原因論と言う。

アドラー心理学では、「子どもに言うことをきかせるために、感情を使う」と考える。「子どもに言うことを聞かせる目的」のために、「怒りと言う感情を作り出している」のだと考えるので、これを目的論と言う。ただし、その目的は、自分で意識しているのではなく、無意識的なものだ。

ある職場で「教えてもらっていないから、できません」と言う人がいるけれど・・・という具体的な例が出ていたので、それについてみんなで一緒に考えた。

普通私たちは、そのように言われると「じゃ、どうやって教えれば、何を教えればいいのかな」と前の部分に反応して対応する。しかし、教えても教えてもなかなか覚えないということがしばしばある。それは、前半の「教えてもらっていない」という原因の部分に注目しているから。原因を取り除けば、その人はうまく動くだろうと考える。しかし、これを目的論で考えると、先に「したくない」ことがあって、そのために「教えてもらっていない」という言明を持ちだしていると考える。そして「したくない」ことに注目するとより有効な援助の仕方ができるのだ。

なぜ、したくないのか?たとえば、その仕事に意味を見出していないからとか、あるいはその仕事をすることで自分の能力のなさが露呈されることを恐れているとか、何か不利益があると思っているからとか(ただしいずれも無意識的なもの)・・・そういう方向でものを考えると働きかけの仕方も変わる。たとえば、その仕事の意義をきちんとお話しするとか、他のところでその人に勇気づけをするように心がけるとか、もっとよく話を聞いてみるとか・・・

目的論は切れる刃だ。下手をすると「あの人は、○○を言い訳に使っている」という風に相手を非難し、糾弾するために使ってしまう。そうするとかえって関係が悪くなる。あくまで、目的論(アドラー心理学全体がそうなのだが)は他者を援助するために使われるものなのだ。

学校と家庭をつなぐ

クリニックに相談に来たお子さんの通っている学校に出掛けてきた。担任の先生とお話しするために。他の子どもとの関係作りが苦手で、学校でトラブルを起こしているらしい。こういう場合は、やはり現場の先生のお話を聞いてみないと、なかなか適切な援助ができない。

最初、先生方も緊張されていたようだ。お話をするうちにこちらの意図も分かっていただけ、情報の交換をしながら、それぞれの特性を生かして子どもの発達を援助していこうということになった。

子どもの生活の質を高めるための適切な援助とは何かと言うことを考えさせられた。

子どもに発達の遅れがあると、親はなんとか周りの子どもたちと同じようにと、肩に力が入って強く働きかける。そのことで、かえって子どもが反発を感じたりして、なかなか成果が見えてこない。親は自分の親としての能力のなさに悲観してしまう。

ましてや、子どもが学校集団になじめないとき、親は自分の子育ての至らなさを恥じて、おおいに自分のことを責めてしまう。ほかならぬ自分で自分の勇気をくじいていってしまうのだ。

勇気をくじかれた親は、時に防衛的になって他からの援助や助言を否定してしまうことがある。

学校は、目の前の子どもへの援助に力を目一杯注いでいて、時に子どもの背後にいる親のことを忘れてしまうことがあるようだ。

子どもを援助すると同時に、親を援助していくことが大切だ。ほんのちょっとした工夫なのだが、親の苦労、努力に寄り添って、一言いたわりの言葉をかけること。子どものできていない部分じゃなくて、こんな風に変わってきたという肯定的な側面を伝えてあげること。

そんな言葉がけで、親の気持ちが楽になり、前向きに子どもとの生活を楽しめるようになるのではないか。そのことが、結局子どもの生活の質を高めることになっていくのだと思う。

親と学校と医療機関の連携がますます必要になってきている。小回りが利く小さいクリニックだからこそ、できることがあるのではと思う。

学校医として働く

4月から七飯町内の学校の学校医になった。今日は年一回の検診の日だ。お昼から2校をはしごするので忙しい。でも最初の日なのでちょっと丁寧に診察した。

子どもたちはとても明るい。大きな問題なかったが、肥満の子、虫歯の子、アトピーの子が少し目立った。

と、2校を丁寧に見ていてクリニックに戻る時間が遅れてしまった。この日はクリニックでの乳児健診の日でもあった。結局1時間ほど待っていただくことになってしまったのだが、有り難いことに赤ちゃんに母乳を与えたりして、ゆっくり待っていてくださった。

後でスタッフに聞くと、入れ替わり立ち替わり、測定、問診、赤ちゃんサロンの説明、予防接種の話と、さらに栄養指導に来てくれている管理栄養士さんも巻き込んで、話題を作って、医師が戻るまで繋いでいてくれていたようだ。有り難いことだ。

ついつい熱が入って時間の感覚が無くなっていたようだ。「来年は乳健を入れないようにしよう」とみんなで話し合った。一緒に行った看護師が「肥満の子には小さな声でちょっと太り気味だから気をつけようねって言ったりしていてよかったですよ。ちょっとした配慮をしているし、丁寧だからよかったですよ。」とフォローしてくれた。

ただ内科検診に行くだけの校医ではなくて、子どもたちの健康問題を一緒に考えていく校医になりたい。養護の先生と一緒に、健康を守る取り組みをやっていきたい。さしあたっては、子どもたちの肥満指導から取り組んでもいいかなと思う。さっそく計画を練ってみよう。

娘の晴れ姿

お琴歴8年の娘がいる。昨日は地元の会館で小さな演奏会があった。お琴の音色が好きだと言うだけで始めた習い事だ。はじめはいつまで続くのだろうと思っていたが、性にあったのか今の今までこつこつと練習を積み上げてきた。時折の発表会のたびごとに私たち親の目を楽しませてくれた。

昨年くらいから、俄然熱心に練習をするようになった。朝晩一日2回弾くようになり、ここのところは、練習時間がないからと昼休みに自宅に帰ってまで弾くようになった。

なぜこんなに力を入れているのか。娘に言わせれば、自分で建てた人生設計をただコツコツ歩いているだけ。実は、今回を最後の演奏会にする予定らしい。今後は別なところにエネルギーを注ぐので、お琴の発表会には出ないのだという。最後だから余計力が入っている。ちょっともったいないというのは親の欲目か。

演奏会は実にすばらしかった。本人が今まで学んだすべてを出すことができたと言っていたが、確かにその通りだと思う。昨年10月にクリニックで演奏したものと同じ演目とは思えないほど情感がこもっていた。会場が静まり、娘が曲の世界に入っていくのが分かった。やっぱり親の欲目かもしれないけど、まわりの聴衆もひきつけられているように思えた。

この演奏会では毎年恒例で裏方をひきうけている。舞台袖で娘の演奏を聞いていた。舞台袖に戻った娘が涙ぐむ。思わずハグする。役得の父である。
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はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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