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肺炎球菌ワクチンの衝撃

昨日、函館小児科医会の講演会があった。今話題の小児用(タンパク結合型)肺炎球菌=プレベナーに関する講演会だ。日本赤十字医療センターの薗部医師によるお話で、肺炎球菌ワクチンに限らず、小児の細菌性髄膜炎のお話から、タンパク結合型ワクチン(ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン)の意味と優位性、今後の日本におけるワクチン行政に関する提案まで、幅広くかつ豊富なデータを用いて説得力のあるお話であった。

肺炎球菌ワクチンの詳細は、他のHP(http://haienkyukin.jp/)に譲ることにして、今回、最も印象的だったのは、このワクチンが「ワクチンを一人に接種すると二人が助かる」と言われていることだ。アメリカでこのワクチンを導入した際、当初は費用対効果(ワクチンを導入した費用に対して、病気を予防したことによってどれだけ医療費を抑制できるのか)がそれほどおもわしくなかったが、子どもの命には代えられないということで導入された経過があった。しかし、実際に導入してみると、子どもへの肺炎球菌ワクチンの接種によって、高齢者の肺炎球菌による重症感染症(肺炎や菌血症)を大幅に低下させるという予期しない効果が表れて、大きな費用対効果が生まれた。と言う話であった。

本来、肺炎球菌は、ヒトの咽頭に常に存在する細菌(普段は病原性を発揮しない)であるが、この小児用肺炎球菌ワクチンは、多くの小児に接種することにより、未接種の小児の咽頭からも肺炎球菌が検出されなくなるという効果を生み出す。そのため、地域の高齢者の肺炎をはじめとする重症感染症を減らすという効果も得られるのだ。

七飯町は子どもに優しい自治体だ。新型インフルエンザのワクチンに対しても、ヒブワクチンに対しても、しっかりと補助金を出してくれている。この小児用肺炎球菌ワクチンは、小児に対する直接的な効果とともに、地域の住民に対する間接的な効果がある。実際クリニックにも結構問い合わせがある。これは、ぜひ自治体(七飯町、近隣の市町村でも)での補助を積極的かつ急いで検討してもらいたいものだと思う。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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