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きょうだい達への支援

昨日TEECHプログラム研究会主催の講演会に参加してきた。
「きょうだい達への支援」というテーマで、講演者は熊本益城病院こども心療室の田中氏(精神科医)。

発達障害では、本人や保護者への支援は当然だが、親以外の家族に対しての支援が見過ごされがちである。とくにきょうだい(兄弟姉妹)は、他の定型きょうだいでは経験しないことを経験する。それは、ある意味で肯定的な側面を持つが、発達途上の子どもとして時に否定的な側面を持つ。

たとえば、ノーマライゼーションの意識を小さい時から発達させたり、思いやりや辛抱強さを身につけたり、また早くから自立へ向かう力も発達させる。しかし、さみしさや孤独を味わったり、不満・不公平感を募らせたり、また強いプレッシャーや負担を感じたりする。

きょうだいの様々な反応は、今までの研究では次の4つにまとめられるらしい。
1.親代わりする子ども
2.優等生になる子ども
3.退却する子ども
4.行動化する子ども

親として気をつけるべきことは、
1.必要以上の責任を負わせていないか?
2.障害のある子をいつも一番にしていないか?
3.いっそうの頑張りを期待していないか?
4.きょうだいの声を否定していないか?
というところをみていくといい。

きょうだいがまだ小さいからと言わずに、早目にきょうだいへの支援を意識してほしいと訴えられた。講演者自身が障害を持つ人をきょうだいに持ち、自分の体験を交えて話してくれたので、とても身近でわかりやすい内容であった。

日本にもきょうだい支援のプログラムがあり、道南地域にも「きょうだいの会」というのがあって活動している。そこの活動の紹介もあった。

うちのクリニックにも、発達に課題をもつ子どもたちがよく来てくれる。きょうだいも一緒にきてくれるし、時にはきょうだいが問題を抱えて来たりする場合もある。発達障害のきょうだいへの支援が大切なのだということを改めて認識しなおし、保護者の方々と一緒に考えていくようにしたいと思う。

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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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