しなやかな心と体作り

一昨日、また別の保育園の卒園式に出席した。この保育園とも長いお付き合いになる。
控室で来賓の方々から少しお話を聞いた。聞くところによると32年間の歴史があるのだそうだ。かつては入園希望者があふれるばかりであったのが、ここ2,3年少子化の影響を強く受けているらしい。

この保育園では、早い時期から、薄着、裸足保育をとりいれて、体づくりを大事にしてきた。今特に力を入れているのがリズム運動らしい。卒園式は、形式ばった儀式に終わるのではなく、第Ⅱ部では卒園児が日ごろの成果を力いっぱい披露してくれた。

保育園のHPには~「生活リズムを整え、薄着、裸足、砂・水・泥んこ遊びや散歩など、戸外での活動を通して、丈夫な身体づくりをめざします。大人としっかり関わり、安心して遊びながら心を開くことをおぼえ、子ども同士の関わりをつくることで間を大切にしていきます。リズム運動、手押し、這い這い、ロールマットなどを取り入れ、リズム感、表現力を養いながら、血行を促進し身体の緊張感をほぐすことで、しなやかな心と身体づくりをめざします」とある。

荒馬、ポルカで遊技場をせましと駆け回り、銀波、ちょう、かげふみと新体操とみまごうばかりの絶妙なバランスを見せる。側転、まりつき、こまわしで器用さを見せてくれたかと思うと、跳び箱、竹踊り、ソーラン節、そして太鼓と実に多彩だ。子どもたち同士の息の合い方もすばらしい。最後は保育士さんとの歌の交歓。子どもたちが、お互いを思いやりながら、実に生き生きと動き回る。

かもしか
ぎんぱ
たけおどり


幼児期は人間の基礎を作る時代だ。こんな風に、いっぱい体を動かし、風と水と土とお日さまを友にして、集団の中でもまれて育った子どもたち、生きる力の基礎が、まさに血や肉になっているのではないかと思う。どんな風にこれから成長していくのか、行く末が実に楽しみだ。

久々に気合の入った保育の現場を見せてもらった。保育士さんたちの熱い思いが伝わってくる。少子化の一つの問題は、子どもたち同士のつながりが薄くなることだ。小さいころから、自分の思いをぶつけあい、折り合いをつけ、つながりあうの大切さを学んでいく。そんなかつてのガキ大将を中心とした異年齢集団が消滅してしまった中で、こういう保育園の果たす役割は大きいと思う。

そんな貴重な保育の実践に、ささやかながら協力できることのありがたさを思った卒園式であった。

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生活習慣と成人病

昨日、渡島医師会の総会があった。医師会として取り組んだ様々な行事、会計収支の決算と次年度の予算、次年度の活動予定などが報告された。1年間で実に様々な取り組みをしている。大きな組織だから当然と言えば当然。これからは医師会活動も身近なものになっていくだろう。

総会の後は学習会。「日本人の生活習慣と腎臓病の変遷」。主に内科領域の話ではあるが、小児期からの生活習慣が成人病の発症に大きな影響があるので、聞き逃せない話だ。

最近、内科領域では、血圧の厳格なコントロール(140/90以下)が強調されるようになっている。かつて、私が研修医のころは、加齢とともに血圧が上昇するのはある程度仕方がないことで、血圧を正常まで下げるのはあまりうるさく言われなかった。しかし、今は日本人のからだに変化が起きているという。腎臓に入ってくる血管での圧力の調節がうまくできなくなっているために、全身の血圧の変化がダイレクトに腎臓に加わり、それが腎臓の機能を悪くさせ、腎臓の機能の悪化は心筋梗塞や脳卒中などの心血管系疾患を増加させる。だから、血圧の管理をしっかりとしなければいけないという理屈だ。

腎臓に入ってくる血管での圧力の調節を悪くさせているのは、高脂肪、高タンパクの食事と運動の減少という今の日本人の生活習慣だという。これは大きな問題だ。前から成人病の予防、今でいえばメタボリックシンドロームの予防と管理は、小児科の問題だと考えていたが、さらに知識を深めて、今後小児科での取り組みを強めていかなければと思った。

そのあとは、恒例の懇親会、少しずつ気楽に話せる医師仲間が増えてきた。それぞれいろいろな趣味があるようで、話を聴いていると面白い。高脂肪、高たんぱくの食事だなと思いながら、おいしくいただきつつおしゃべりを楽しんだ。

誕生日

うっかり忘れそうであったが、3月22日は誕生日であった。
隣の薬局の薬剤師さんとこの子どもたちが、とってもすてきな絵を贈ってくれた。

birthday.jpg

3人でそれぞれの得意分野を生かして、この絵を描いてくれたという。彼らは開業の時にも素敵な絵を描いてくれた。とても味わい深い絵だ。何よりもありがたいプレゼント。

友人たちからメッセージも届いた。古い友人からもいただいた。ありがたい。人は一人では生きていない。つながりの中ではじめて意味を持つのだと感じられる一日。

51歳、子どもの頃にはとても想像できなかった年齢だ。かつて40を過ぎると人は下り坂だって考えていた。しかし、今、とても元気。50を過ぎてますます若返っている感じがする。

なにより開業したことが大きい。毎日、毎日、やることがいっぱいあって、忙しく暮らしている。時には、アップアップする時もあるが、今を生きているという実感がある。

健康な体があって、仕事があって、ともに働く仲間がいて、そして家族がいる。今が一番幸せな時かもしれない。


子どもに語る

北斗市東部追分町会子供会の「新入学児童お祝い会」に呼ばれてお話をしてきた。

子供会1

テーマは「こどものこころとからだ」で、子どもの健康を支える3つの力についてお話した。40組ほどの親子が集まった。この地域は、人口増加地域で、子供会の新入学児童は85人なのだそうだ。函館・道南地区でも最大、北海道内でも最多の部類に入るらしい。

街中のマンモス町会にしてはめずらしく(いやだからこそなのか?)子供会の活動が活発だ。町会の役員さんたちと子供会の役員さんたちと共同で会を運営している。役員さんたちが生き生きと働いていたのが印象的だ。

子どもたちがたくさん来るということで、スライドを作ってお話をした。子どもたちとの掛け合いがなかなかおもしろかった。
「背筋を伸ばさなくちゃいけないのはどうして?」
「怒られるから~~」
なるほど~~、それはそうだ。
「脊柱起立筋の緊張が脳を活性化させる」(賢く育てるには体をきちんと造ることが大事というお話の一部)からなのだが、子どもたちの発想が面白い。

子供会2


子どもたちは近くまで来て、とても熱心に話を聞いてくれた。実に楽しく充実した時間であった。話したいことを子ども向けに噛み砕いたつもりだが、少し難しかったかもしれない。お母さん方にも分かってもらいたいことがあったので、中身を少し詰めすぎた。

「新入学児童を祝う会」なので、必ずしも小児科医の話を聴きに来た人ばかりではなかったであろう。30分が限度と思ったが、少しオーバーしてしまった。もっと対象を絞って、コンパクトにまとめればよかったかもしれない。

今度チャンスがあったら、思いっきり子ども向けに焼きなおして、楽しくわかりやすく体のことや健康のことを話したいと思った。

図書館から「たまごにいちゃん」(作・絵あきやまただし)の大型絵本を借りて、読み聞かせのプレゼントをしようと思った。折よく普段読み聞かせをしているという方がいたのでお願いすることにした。さすがにうまい。子どもたちはすっかりひきつけられていた。

そのあと、みんなで風船で犬を作って(バルーンアート)遊んだ。なかなか多芸の人が集まっている。私にも風船が回ってきたので、子どもたちと一緒にどきどきしながら犬を作った。

少子化の中で、子ども同士が団子になってぶつかり合って遊ぶという経験が少なくなってきた時代に、子供会のような集団がとても大事だ。ぜひ、がんばって、楽しく、息長く子供会を続けてほしいと思った。

小さな小さな卒園式

昨日小さな保育所の卒園式に出席した。

以前の病院にいた時から嘱託医として関わってきた縁の深い保育所だ。はばたく会という素敵な名前に恥じず、実に感動的な会だった。

子どもたちの歌と踊り、先生方の出し物(影絵)、父母の方の芸、あいさつ、食事会とどれもこれもとてもアットホームな雰囲気だ。

IMG_1392~2


残念なことに、この園は3月いっぱいで閉園する。37年間、無認可保育園として、父母やOB、地域の人たちに支えられてやってきた。しかし、ある意味でもう限界、ある意味でもう役割を終えたということなのだそうだ。

かつて、ポストの数ほど保育所をというスローガンのもと、必要を感じた地域の人たちが自分達の手で保育所を作っていった。そんな「共同保育所」の一つとして、質のいい保育を提供してきた。単に、子どもを預かるだけではなく、発達に応じた働きかけ、体づくり、集団作りをとても丁寧にやっている。また、親も預けぱなしではなく、積極的に保育所運営にかかわる。

特にこの保育所は、「食」にこだわっている。食物アレルギーへの個別的な対応がこまやかだし、食材もいいものばかりを選んでいる。食物除去が必要な子どもも安心して預けられる。今でこそ、「食育」ということが言われているが、この保育所ではずっと以前から「食」の大切さを訴え、実践してきた。

37年間は決して短くはない。在籍園児7名と小さな小さな保育所だけど、大きな大きな役割を果たしてきたと思う。こういう保育所が無くなっていくのは実に残念なことだ。

はばたく会の圧巻は、今度小学校に上がる子の卒園のあいさつ。これがとても感動的だった。思いを込めて、一言一言叫ぶように語る。途中で感きわまって絶句する。涙を拭いてまた叫ぶ。

他の園児も、親御さん方も、そして集まったOBももらい泣きしていた。他の子たちも、みんなそれぞれ別の保育園に転園する。最後は園児みんなと先生で「ともだち」という歌を歌っていた。

参加者に手作りの小さな花のポットが配られた。子どもたちも制作を手伝ったという。なんだか、ほわ~~とあたたかな気分で、会場を後にした。保育所はなくなっても、ずっと人々の思い出に残るに違いない。
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はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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