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子どもと向き合う

昨日、檜山の上ノ国町「じょいじょぐら」で、「子どもと向き合う」というテーマで、講演をした。上の国町学校保健会主催の講演会であった。

子どもが不登校や非行などの「問題行動」をしたときに、親はあるいは教師は、「きちんと子どもと向き合うべきだ」といわれる。しかし、普通は、親としてあるいは教師として自信をなくしていて、そう簡単に子どもとどう向き合う気にはなれない。それは私自身が体験ずみだ。

そこで、アルフレッド・アドラーの思想と理論の話をする。まず、「人とはどんな存在か?」ということから考える。本来ヒトとは社会的な動物で、集団や社会に帰属しようとする本能的な欲求を持っている、そればかりではなくて、社会に向かおうとする潜在的な力をも持っている。

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物質的に豊かになった現代社会のおいて、子どもたちは、その潜在的な力を伸ばす機会を奪わている。かつては、子ども集団での遊びや、家の仕事を通じて、人とつながる力が自然に鍛えられていた。

いまあらためて、日々の生活の中で、そのことを意識しさえすればよいのだ。そのためには、まず、子どもの不適切な行動に注目をするのをやめ、少しでも適切と思ったことにしっかりと注目する。

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そのことにより、人は自分の持っている肯定的な面を建設的な方向に使うことができるようになるのだ。日々の暮らしの中では、親子で「ともに遊び、ともに働き、ともに話し合う」こと。その中で、子どもは「自分には能力がある」と思い、「人々は仲間だ」と思うようになって、適切に社会に開かれた存在に成熟していくことができる。

というような話をした。

学校保健会の会長さんは、私の話を大変気に入ってくれた。控室に帰ってから、「実にいい話だった」、「近頃、こういう話をしてくれる人はいない」と、さんざん持ち上げてくれた。

やっぱり、アドラー心理学の話はいい。人をひきつける力がある。聞いている人が勇気づけられて、「明日からきちんと子どもと向き合ってみよう」という気になるとすれば、願ってもないことだ。

話が具体的で、いま何をすればいいのかが見えるということもあるけど、問題点ばかりをみて、あれがダメだ、これがいけないというのではなくて、いつでも可能性のほうを見るからだろう。それがアドラー心理学の魅力だ。

こういうことをきっかけに、アドラー心理学に興味を持ってくれる人が、現れてくれるとうれしい。
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Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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