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学校医、学校へ行く

(ちょっと遅くなったけれど2019年12月5日のこと)

校医をしている七飯町峠下小学校で、子どもたちへの授業を行った。子どもたちに、病気の話をする、とても貴重な機会だ。半年ほど前に依頼があってから、ずっとこの日を心待ちにしていた。

峠下写真


この学校は小規模で、2年ずつの複式になっている。今回は、三,四年生に「かぜとインフルエンザの予防と治療」、五,六年生に「がんのはなし」をという依頼であった。

かぜやインフルエンザの話はお手の物、オリジナルのスライドを作った。19枚のスライド~クイズ形式にして、ちょっと親しみやすくしたつもり。
かぜとインフルエンザ

がんの話は、ちょっと困った。ありがたいことに、文部科学省のサイトに「がん教育推進ための教材」というのがあって、それを流用させてもらった。こちらは、23枚のスライドとなった。
がんのはなし

うちのクリニックの診療圏でもあり、ほとんどの子どもは顔見知り。しかも少人数だったから、手応えはばっちり。インフルエンザのほうは、子どもたちは元気いっぱい、たくさん発言してくれた。がんのほうは、やや難しかったかも?でも真剣に聞いてくれた。

養護の先生が、子どもたちの感想をまとめて送ってくれた。どれも、しっかり書き込まれていて、伝えたいことが伝わっているのがわかる。健康診断だけではない、とても大切な時間を共有させていただいた。

学校のカリキュラムもいっぱいだとは思うが、ぜひ、今後ものこのような機会を作っていきたいものだと思う。
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障害を持つ子どもを勇気づけて育てる

嘱託医をしている通園施設の定例の小講演。
今年度2回目となるが、今回のテーマは「障害を持つ子ども勇気づけて育てる」

小講演 レジメ

今回保護者の方から寄せられていた質問は、
 ・テレビやDVDを見せる時の注意点や効果的な注意の仕方について
 ・障害をもつ子どもへの接し方声掛けについて
 ・やってはいけないことをした時の伝えかた
 ・小学生、中学生と今後成長していく過程で注意することや取り組んだほうが良いことについて
 ・障害を持った子どもは大人になったらどんなふうに社会と関わっているのか(就職、親がいなくなってからなど)

確かに、障害を持つ子どもを育てるのには、少し工夫がいる。それでも、基本的な方法は、定型的な子どもの子育てと共通している。まず、根底にあるのは、「子育ての目標」。子どもを育てていって、一人前の大人にすることが子育ての目標。それは、社会に出て困らないように上手にしつけること。私たちは、アドラー心理学の育児法から援用して、「1.自立すること、2.社会と調和すること
」を目標にしている。そのために、子どもの内側に、「1.私は能力がある、2.人々は仲間だ」という信念を育てようとしている。  それがすなわち、「勇気づけの子育て」だ。

ただし、子どもたちには特性がある。例えば、「切り替えが苦手」、「自然に決まっているルールが苦手」、「特定のモノや事柄にこだわる」、「感覚に偏りがある」などなど、そこにひと工夫が必要だ。

思春期から、青年期、成人を見通して必要なこととしては、「良い意味での大人扱いをする」「共同生活者としてつきあう」「趣味を持つことを勧める」ということをお話しした。思春期といわれても、幼児を持ったお母さん方には、なかなかぴんと来ない。幸い、この通園施設は歴史があり、保護者会に先輩たちも参加してくれる。そんな先輩たちの体験談がとても貴重なのだと思う。







障害とは何か?障害との上手な付き合い方

嘱託医をしている通園施設で、毎年恒例の保護者向けのミニ講演会があった。
今年度第1回目は、「障害とは何か?障害との上手なつき合い方」
毎回、事前にアンケートをいただき、参加者のニーズに応えたお話を用意することができる。

ちなみに、今回の質問は、
・障害のある子どものことを兄弟にどのように説明するか (説明する年齢の目安など)
・障害をもつ子どもとその兄弟児に対しての親の向き合い方
・障害をもつ子どもに対する父親の理解を深めるにはどうすればよいか?

fc2blog_2019062515215785e.jpg

まずは、障害に関する考え方を少しお話しする。
参考にしたのは、WHOの「国際障害分類」(1980年)と「国際生活機能分類」(2001年)。
言いたかったのは、障害は固定されたものではなく、環境との相互作用でその意味が変わるということ。

私が好きな言葉は、「障害は広い理解と適切な支援を必要とする個性」。
これは、こころとそだちのクリニックむすびめ院長田中康雄氏の言葉。

そして、周囲やきょうだいに理解してもらうためのこつについて。
特に父親の役割について、母と役割を分担することと、男性ならではの得意を生かすことについてお話しした。
例えば、受容だけではない社会のルールを教えること。
例えば、体を使った遊び、ゲーム・パソコン・自動車・機械いじりなどで役割をもってもらうこと。
やっぱり、人は、貢献が認められることが何より大切。
だから、パートナーに対しても、否定的な側面でなく、肯定的な面を見るようにという提案をした。

父親の参加もあり、和やかな雰囲気でお話ができた。


子どもを援助すること

渡島管内市町村保健師連絡協議会から依頼があって、保健師の研修の一環で講演をしてきた。
テーマは「子どもを援助すること~不登校の親子支援をめぐって」

子どもを援助する【写真はスライドに使った子どもの笑顔】

保健師さんたちは、地域の様々な相談を受け入れている。学校への不適応に悩む保護者からはもちろん、学校や教育委員会からも相談がくることがあり、不登校援助、子どもへの関わり、保護者への関わりをどのようにしていくか、カウンセリングや相談方法について、また、子どもの悩み、学校での立場や思いなど心理面を理解する上での理論部分も盛り込んでほしいという依頼であった。

具体的な援助方法については、クリニックでの実際の事例からお話し、不登校や不登校の背景になっている発達障害についても触れ、子どもの心理を理解し、どんなことをポイントに相談にあたるのかと言うことを、アドラー心理学の理論を交えながらお話した。

相談の実際的な側面と理論的なことと織り交ぜてお話をした。少し硬いお話になったかな?と思ったが、私の話を端緒に、保健師さんたちの学びへの意欲につながっていけたらいいなと思っている。

子どもを援助するのはなぜ?それは、「子どもの笑顔が見たいから」だし、「子ども笑顔が私たちの未来をつくるから」だし、自分自身が「そこ(未来をつくる事業)に参加していることを喜びとしているから」。

これが、今回の講演のまとめの一言。

不登校の子どもを援助する

5月19日、嘱託医をしている通園施設の講堂をお借りして、クリニック主催アドラー心理学講演会を行った。
テーマは、「不登校の子どもを援助する」

我が子の不登校をきっかけに、アドラー心理学に出会い、アドラー心理学の考え方を使って、外来で不登校の子どもたちへの相談を行ってきた。今回は、私が行ってきた不登校の子どもへの援助に関して、どのような考え方で相談をし、援助をしていくのかに関して、具体的な事例を交えてお話した。

講演会1 講演会2

講演会3

実際にわが子の不登校に悩まれている方や学校の先生方もきてくださった。
具体的な質問も出され、とても有意義な講演会だったものと思う。
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プロフィール

はる

Author:はる
北海道七飯町で小児科クリニックを経営。子どもたちのこころとからだの豊かな成長を願って、日々の診療、子育て相談、講演会活動を展開している。

名前:高柳滋治
仕事:はるこどもクリニック院長
   病児保育所はるっこ所長
趣味:アドラー心理学を学ぶこと
   草花の写真を撮ること
好きな言葉:
”今日は残りの人生の最初の日”

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